「AI」繋がりの優しい歌
初登場時から胸を打たれたファン多数

「僕らを待つ場所」はAIさんが2020年の2月にリリースした曲です。
AIさんの曲といえばもっと楽し気だったりきらびやかだったり、またカラフルな曲が多い印象でした。
しかし「僕らを待つ場所」は全く違っています。
ありのままの思いをそのまま歌い上げたような、かなりシンプルな曲に仕上がりました。
もちろんAIさんのダイナミックな歌声は全く失われていません。
それどころかこの歌声に、初めて聴いた時点で涙腺が緩んだというファンもたくさんいたとか。
そんな「僕らを待つ場所」の歌詞を見てみましょう。
映画『AI崩壊』
AIさんと同じ名前が入っていますね。
同じ「AI」繋がりに、AIさんの周りも「ギャグかと思った」笑い話になるほどだったそうです。
ちなみに映画タイトルの「AI」は人工知能を指します。
近未来の日本で、国民の健康などを管理するAIが突然暴走しだすサスペンスです。
AIさんの歌う「僕らを待つ場所」は、AIというハイテクな印象からは随分離れているように感じますね。
「僕らを待つ場所」はこの映画のために書き下ろされた曲ですが、どのように関わっているのでしょうか。
溢れる感情
タイトルの「僕らを待つ場所」と聞くと、居場所や帰る家を思い浮かべます。
歌詞の場所もそれに近い場所なのか、それとも一般的なイメージとはまた違う意味なのでしょうか。
歌詞からタイトルの真意も一緒に考えてみましょう。
涙の訳
どうして今君は
ひとり泣いてたの
うずくまるその背には
何を背負っているの
出典: 僕らを待つ場所/作詞:AI・JiN・Ruri Matsumura 作曲:JiN
うずくまって泣いている「君」を、主人公が背後から見ている場面のようです。
聴いている側としてはかなり唐突な印象といえます。
「泣く」というのは、かなりインパクトを感じさせる行動ですから余計です。
ここは情景をシンプルに表していて、深い心情が描かれていません。
主人公からしても、「君」という他人が何故泣いているのか分からないのでしょう。
道を歩いていて、たまたま通りがかりに泣いているのを見かけたような状況だったのではないでしょうか。
泣いているのには理由がある筈です。
主人公には、「君」の背中に涙を流させる重い事情が乗っかっているように見えているのでしょう。
悲しみをひた隠しにして過ごす
強がって笑った今の僕に
少し似ているのかな
平気な顔して過ごす日々にも
慣れた気がしてたけど
出典: 僕らを待つ場所/作詞:AI・JiN・Ruri Matsumura 作曲:JiN
どうやら主人公も、今日は泣きたくなるくらい辛いことがあったようです。
しかしながら、「君」とは違って泣くのをぐっと我慢して笑っていました。
無論、心は泣いていることでしょう。
毎日がそんなことの繰り返しなのです。
主人公は辛いことが起こり続ける日々を、長いこと過ごしているのでしょう。
今までは「もう慣れたから平気」と思っていたようです。
ですが泣いている「君」を見て、「ああ、自分と同じだ」と思ったのではないでしょうか。
改めて自分が苦しい思いをしていること、涙を我慢して笑っていることを思い出しました。
仮に本当に慣れたところで、辛いことには変わりありません。
主人公もまた、「君」のように涙を流したくなったのでしょうか。