〇〇世代のジレンマ
世代に付けられたレッテル
悟り世代
ゆとり世代
他と脱するから脱ゆとり世代
大人達や周りは俺らに吹き込みぶっ飛んでる Maaan!
なんでカマさないんだ 奴は Enemy, enemy, enemy (What?)
なんで止めちまうんだ 採れ Energy, energy, energy (What?)
成りな本気 You know you not lonely
明くる朝は今以上
出典: DOPE -超ヤベー!-(Japanese Ver.) /作詞:Pdogg,Ear Attack,Hitman Bang,Rap Monster,SUGA,J-hop,日本語詞KM-MARKIT 作曲:Pdogg,Ear Attack,Hitman Bang,Rap Monster,SUGA,J-hop
私たちは各世代で、いわれもない偏見というレッテルを貼られます。
それも勝手に。
その代表的なものが「ゆとり世代」、「悟り世代」そして「脱ゆとり世代」。
大人が作ったイメージによって人格を決定づけさせられてしまう、れっきとしたパワハラです。
最近の若者は…の枕詞から続くお決まり文句は、どれもネガティブなものばかり。
出る杭は打つ。日本の悪しき慣習が若い芽を摘んでしまっている気さえします。
「DOPE」の韓国語詞verでも、ゆとり・悟り世代と同義な「三放世代」・「五放世代」といった歌詞が登場します。
経済的・社会的事情から夢、結婚などを諦める若い人が日本同様、この世代にはかなり多いそうです。
恐らくこの傾向は、超競争社会の米国ではもっと深刻化して表れてくるでしょう。
外に出た瞬間、大人の都合のいい常識を充填した拳銃を後頭部に突き付けられる。
「降参して手を上げろ」と。
こうした社会全体を覆う不穏な空気が行動を抑制し、将来の夢や希望は神棚に乗せて神頼み。
防弾少年団がなぜ、米国で1位になることが出来たのか?
それは彼らが発するメッセージが、社会に抑圧された若者の心情に共鳴したから。
そんな気がします。
効かねえぜ、俺たちには
嫌なものにはNO
嫌な物は NO!!!
そんなん元々
さぁ声上げろ!
超ヤベー!
嫌な物は NO!!!
皆超とりこ
さぁ声上げろ!
超ヤベー!
出典: DOPE -超ヤベー!-(Japanese Ver.) /作詞:Pdogg,Ear Attack,Hitman Bang,Rap Monster,SUGA,J-hop,日本語詞KM-MARKIT 作曲:Pdogg,Ear Attack,Hitman Bang,Rap Monster,SUGA,J-hop
こうした若者の背景に存在する重々しい空気に向かって、一発の銃声。
つんざくような音に若者たちが顔を上げる。
「俺たちを見てみろ。超ヤベーだろ?」
「超ヤベーだろ!諦めるな声上げろよ 」
彼らはあくまでも軽快なリズムに、陽気な歌詞に、メッセージを込めているのです。
多くの同世代が銃声に気付くように。
特に空気を読んで、その他大勢に埋没してしまう”NOとは言えない日本人”にこそ気付いてほしい。
そんなメッセージがこの歌詞に込められている気がしてなりません。
防弾スタイル
これが防弾スタイル
軽い Wack とは違う
生きる Hustle life
I gotta make it fire, baby
出典: DOPE -超ヤベー!-(Japanese Ver.) /作詞:Pdogg,Ear Attack,Hitman Bang,Rap Monster,SUGA,J-hop,日本語詞KM-MARKIT 作曲:Pdogg,Ear Attack,Hitman Bang,Rap Monster,SUGA,J-hop
では、なぜ彼らがそこまでして「俺を見ろ!超ヤベー!」と歌っているのか?
それは曲終盤に何度も何度も繰り返されるフレーズ、”防弾スタイル”にヒントがあります。
グループのリーダーRAP MONSTERが、この言葉に言及しています。
「バカみたいなんだけど誠実さがあって、一生懸命走っていくのが僕らのスタイル。”かっこいいバカ”」
決して順風満帆な航海ではなかった防弾少年団。
航海の途中では、大人による介入もあったはずです。
それでも、ここまで辿りついたのは”かっこいいバカ”を貫いたから。
常に青春の情熱を燃やし続けたから。
「どんなやつだって情熱を持って継続すれば、希望は見えるぜ!」
「だって俺たち見てみなよ、超ヤベーことなってんじゃん!」
気づけばゴルゴ13の年齢を超えたおじさん筆者ですが、彼らが発信する眩しいメッセージにはうらやましくもなります。
この曲を受取った若い世代の中には、「自分も頑張らなくちゃ」と勇気付けられた方も多いのではないでしょうか。
人生で最も美しい瞬間
「花様年華 pt.1」
DOPEが収録された、日本版アルバムタイトルが青春時代という意味の「YOUTH」。
そして、韓国版アルバム名が「花様年華 pt.1」。
中国の言葉で『人生で最も美しい瞬間』という意味だそうです。
そして、パート1と付けられているのにも希望の広がりを感じさせてくれます。
言わんとしていることは何か?
それは、少年から大人に変わるモラトリアムな世代が持つ特有の儚い情熱たち。
「こうしたい、こうなりたい、こう感じる」
そういった感情を大事に育ててほしい。簡単にあきらめちゃいけない。
そんなメッセージが、このアルバムに込められているのではないでしょうか?
事実、大人は一目散にそれらを取り除こうと前に立ちはだかります。
なぜなら、その複雑な感情は自分たちに都合のいい社会にとって邪魔になるから。
そして、防弾少年団は声を上げる。
「きっと大丈夫。俺たちが出来たんだから君もできる。援護射撃は任せろ!」と。