ユウナの夢
ユウナが使命と引き換えに諦めた夢とは何だったのでしょうか。
ここからのサビの歌詞で明らかになります。
キミと一緒にいたい
素敵だね
二人手をとり 歩けたなら
行きたいよ
キミの街 家 腕の中
出典: 素敵だね/作詞:野島一成 作曲:植松伸夫
ユウナが叶えたかった夢、それは旅が終わった後の人生をキミと一緒に歩んでいくことでした。
手を取り合って並んで歩き、キミが暮らしていた世界に行ってみたい。
キミの暮らした街や家に行って、恋人としてずっと一緒にいたいという夢だったのです。
今まで他人の幸せばかりを考えて、自分の夢なんて考えてもいませんでした。
しかし、キミと一緒に旅を続けるうちに、自分のための夢が心の中に生まれていたのです。
そんなことができたら素敵なのにね、と自分の夢を口にしています。
途中で旅を止めて、自分の夢を叶えるという選択肢もありました。
そうしても、誰も途中で止めたことを責めはしないでしょう。
しかし、ユウナは自分の気持ちよりも、他人を優先することを選んだのです。
今だけでも一緒に
その胸
からだあずけ
宵にまぎれ
夢見る
出典: 素敵だね/作詞:野島一成 作曲:植松伸夫
旅を続けるということは、自分の身を犠牲にするということです。
旅が終わるとき、自分はもうこの世界にはいません。
だから旅をしている今だけでも、一緒に並んでいたいと思っているのです。
自分の夢は諦めると決めました。
その気持ちに変わりはありません。
しかし、夜が来て旅の終わりがまた一歩近くなります。
心のどこかで、もっと長く一緒にいたいという小さな夢を見てしまうのです。
二つの気持ち
旅の終わりは、キミとの別れのときでもあります。
大勢の人のために早く旅を終えたいという気持ちと、少しでも長くキミと一緒にいたいという気持ち。
相反する二つの気持ちを抱えながら、旅は少しずつ終わりへと近づいていきます。
旅の終わり
風は 止まり 言葉は
優しい 幻
出典: 素敵だね/作詞:野島一成 作曲:植松伸夫
凪の訪れ
ついに使命を果たし、旅の終わりがやって来ました。
世界に吹き荒れていた不安や悲しみは止まり、明るい時代が訪れました。
この世界では、平和な時期のことを「ナギ節」と呼んでいます。
風が止まるとき、すなわち「凪」が来たのです。
キミとの別れ
凪の訪れは、キミとの別れのときでもありました。
現れたときと同じように、別れは突然やって来ます。
風のように現れたキミは、幻となって消えていきました。
薄々こうなると気付いていたけれど、心のどこかで大丈夫だと思っていたのではないでしょうか。
考えたくなくて、目を背けていたのかもしれません。
しかし、無情にもキミはいなくなりました。
後に残されたのは、キミがくれた言葉と優しい思い出だったのです。