B'z「ZERO」
1992年にリリースされた11stシングル
「ZERO」は、1992年10月7日に11thシングルとしてリリースされました。リリース当時は8cmシングルだったため、2003年に3月26日にリマスタリング版を再リリースしています。
今までB'zがリリースしてきたPOP路線ではなく、ファンク・メタル調のロックな楽曲のため、シングル化は思い切った決断だったようです。
カップリングには「恋心」を収録
このシングルのカップリングには、B'zファンの中でも高い人気を誇っている「恋心」が収録されています。
ボーカルの稲葉浩志のラジオに送られてきた手紙からインスピレーションを受けて作成されたもので、「ZERO」と対極にあるポップなナンバーです。
6thアルバム「RUN」にも収録
「ZERO」は、1992年10月28日にリリースされたアルバム「RUN」の2曲目に収録されています。
ライブツアーのメンバーとのセッションから生み出された楽曲たちで、「ハードロック」をテーマにしたカッコいいサウンドが印象的です。
初回限定盤には、B’zのフォトカードとCDケースをいれる紙製のスリーブケースがついています。
ノンタイアップで勝負した楽曲
タイアップを断って勝負した「ZERO」
今までと違う路線で行く時には売れるかどうか心配になるものですよね。この「ZERO」もファンや世間に受け入れられるかどうかわからない賭けの一曲でした。
当時のスタッフも確実な売り上げを考えて、松本孝弘にタイアップを提案したそうです。しかし、楽曲で勝負したいという想いから、ノンタイアップでシングルをリリースしました。
結果は、ノンタイアップとして初動売上が60万枚を超え、累計で100万枚を突破し、大ヒットとなりました。
その後、発売から17年を経過した2009年に「麒麟 ZERO」のCMソングとして起用されました。
「ZERO」のオリコンランキング!
2週連続1位を獲得
当時のB'zがどれほど注目を浴びていたのかが分かりますね。
B'zの「ZERO」は、ノンタイアップというハンデをもろともせず、オリコン週間ランキングで2週連続で1位を獲得しました。1992年10月度月間でも1位を獲得し、翌月もほとんど落ちることなく12位を記録しました。
1992年の年間ランキングでも11位と高い数字を記録しています。
「ZERO」の歌詞
ぎらぎらした街をぬけ さっさと家に帰ろう
思わぬ工事渋滞で 赤いランプを眺めりゃ
また考えすぎのムシが じわりじわりと湧いてきて
僕は僕自身に 一日分の言い訳をはじめる
たちの悪いくせだね
このまま車ごと 君の家につっこもうか
なんてことまで浮かんでくる
出典: ZERO/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
「ZERO」はロックをテーマに描かれているだけあって、歌詞もかなり攻撃的な内容になっていますね。
ギラギラした街というのは、東京のことではないでしょうか。夢を掴むため野心などが渦巻く街・東京はまさにそのイメージにぴったりですよね。
そんな混沌とした世界に疲れ果て、休みたいと車に飛び乗り家路を急いでいたのに、渋滞に巻き込まれてしまいます。
「なんてついていないんだ」。イライラが募る様子が分かりますね。
渋滞に巻き込まれている時には、何もすることがありません。ボーっと渋滞の中にいると今日はどうだったとか、思考が働き始めます。
そして、自分の行いなどいろいろ考えすぎて自分自身にも嫌気がさしていることが分かります。
トロトロとしか進まない渋滞の中で、全てがどうでもよくなってきたのでしょう。「君に会いたい」気持ちもありますが、アクセル全開にしてストレスを発散しようと考えています。
毎日の生活の中で、溜まりに溜まったストレスが体の中でじわじわとくすぶっているのが伝わりますね。
今日はいまいち
思いやりに欠ける日だったとか
人の気も知らないで
『おまえは変わった』なんて
簡単に言う奴の、胡散臭い顔だとか
空っぽの冷蔵庫開けて
いろいろ思い出してると
都会の暮らしは、やけに
喉が乾いてしまう…
出典: ZERO/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘