作詞・作曲がくじらからTOOBOEへ
これまでの楽曲制作では、作詞・作曲を「くじら」が担当していました。
今回の「真っ白」は、初の「TOOBOE」作品。
同じyamaの声をのせながらも、独特な表現の増えた歌詞に注目が集まっています。
「真っ白」は、曲名に色が使われているように、恋愛の中で見た景色の描写が美しい楽曲となっています。
それぞれの歌詞で聴き手の頭に情景が浮かび、これまでに見た景色を振り返る……。
同じ歌を聴きながらも、聴き手1人1人の頭の中に「過去の恋愛」が蘇ってくるのです。
そんな歌詞やメロディーと共に、yamaの優しい歌声がそっと寄り添ってくれます。
悲しい過去や切ない想い出を振り返りながらも、どこか「懐かしい」と前を向ける楽曲。
縛り付けられて動けないでいる恋心を、そっと空へ送ってあげるようなあたたかささえ感じさせてくれます。
2人の間に出来た「溝」
寂しさが募る景色の中で
ご覧 夕日が沈むのが早くなりました
少し考えちゃう様な 夜が増えました
夏の蒸し暑い気候が 恋しくなりました
夢を追いかけてる 君は素敵です
出典: 真っ白/作詞:TOOBOE 作曲:TOOBOE
窓の外を見れば、多くの人が行き交う街並み。
太陽が眩しい昼間であれば、日常の中で寂しさを感じる瞬間はあまりありません。
しかし太陽が沈み、辺り一帯がオレンジ色に染められてしまえばどうでしょう……。
とたんに寂しさが募り、人恋しくなってしまうのです。
こんな時こそ誰かにそばにいてほしいのに、君は今日も主人公の隣にはいません。
やりたいことを叶えるために精一杯な彼を、主人公が止めることなどできるはずがないのです。
せめて今の季節が、肌と肌が触れ合うことが煩わしいと思える「夏」であったなら……。
こんな寂しさも、少しはマシになっていたでしょう。
冬が近づいてきた今だからこそ、これまでの我慢がせきを切ったように溢れ出してきてしまうのです。
口付けは本物?
あの口付けはお芝居でしょうか
出典: 真っ白/作詞:TOOBOE 作曲:TOOBOE
遥か昔にされたあのキスを、主人公は何回も振り返り、今日まで大切な思い出として保管してきました。
しかし、君にとってあのキスはきっと、深い意味のこもったものではありません。
主人公だけが、いつまでも宝物のように大切にしているだけなのです。
たとえ寂しくても、キスさえできない冬の日……。
せめてキスをした想い出さえなかったならば、手の届かない人だと諦めることができたでしょう。
あの日のたった1回のキスが、いつか交わした言葉の数々が、今も主人公を捕まえて放しません。
決して気持ちのこもったキスではないと分かっているはずなのに……。
その「演じられたキス」の想い出をただ抱きしめて、切ない日々を過ごしているのです。
真っ白な薔薇の上で
真っ白な薔薇の上で二人 寝転んで
このままでいられたら素敵でいいのに
過ぎ去ってく時間の中 育んだ愛は
何時か 成就します様に
出典: 真っ白/作詞:TOOBOE 作曲:TOOBOE
どこまでも透き通るように広がる白い風景は、よく見れば1つ1つが花でできたものでした。
純潔の意味を持つ白い薔薇は、主人公のまっすぐな気持ちを表しています。
しかし、まっすぐに彼を愛しているのは主人公だけ……。
まるで花びらのようにくしゃくしゃとシワのよったベッドシーツが、今いる現状を思い出させるのです。
ここは彼と愛し合ったベッドの上、そしてこれから彼がいなくなるであろう部屋の中……。
余韻を楽しみながら愛をささやく時間は、主人公に与えられてはいないようです。
それでも確かに、このベッドの上で愛し合った事実が消えることはありません。
彼の中でこの1日がなかったことにならないように……。
主人公には、ただひたすらに祈ることしかできないのです。
「愛」は間違いなく本物だった
間違いにならないように
路上に咲いた花 雪に埋れてく
その間違いには 愛がありますか
それはそれは美しい満月の晩でした
自分を離れてく 君は素敵です
出典: 真っ白/作詞:TOOBOE 作曲:TOOBOE