今ここに「ぼくら」二人しかいないようです。広い宇宙に二人だけが存在するかのように描かれています。

塵になるということは、彗星の駆け抜けた先の最後の状態のことだと考えられるでしょう。

たとえ彗星のようになったとしても、二人の行く末は塵になると理解している様子が伺えます。

行く先に塵になることが決まっている悲しさと、進みたい気持ちとが混じっているようです。

彗星が塵になることは避けられません。

二人の力ではどうしようもないことに、泣きたくなっている様子が伺えるでしょう。

同時に、この世界のどこでなら自分たちも彗星のように輝けるのか思案している様子も伝わってきます。

泣けない「ぼくら」

泣きたいけれども ぼくら
休める場所さえ知らない

出典: 彗星の如く/作詞:堂島孝平 作曲:堂島孝平

彗星の行く先が塵になることだと分かって泣きたくなっているぼくらの様子です。

しかし、やはり「ぼくら」は泣けません。

どうやって休むのか、その場所さえも知らないといっているのです。

「ぼくら」は彗星のように綺麗ではないけれど、地上で彷徨いながら駆け抜けてきたのかもしれません。

休むこともせず必死に二人で歩いてきた様子が伺えます。

必ずいつか出会おうという意思

燃え尽きるまで燃やす心

指先をかすめていく 風が虚しくて黙った
燃え尽きるまで 心を燃やそう
体温上昇 出よ 太陽

出典: 彗星の如く/作詞:堂島孝平 作曲:堂島孝平

指先をかすめていく風は、まだ何も掴めない自分を表しているのかもしれません。

しかしこの主人公は奮い立ちます。

燃え尽きるまで心を燃やすことを決意して実際に力を込めたように感じられるでしょう。

体温は上昇してやがてビックバンを引き起こします。

それにより太陽が生まれたというわけです。

燃え尽きて生まれ変わった先

生まれ変わったら また巡り合おう。
この惑星じゃなくたって君と出会うだろう

出典: 彗星の如く/作詞:堂島孝平 作曲:堂島孝平

今自分のやりたいことに心を燃やし、互いの進むべき道を進もうとも感じ取れる歌詞です。

ビックバンを引き起こせば今の自分達は消滅してしまうかもしれません。

しかし、消滅して終わりというわけではないのです。

この歌詞は生まれ変わったらまた巡り会おうと約束しています。

例え今いる世界ではなくても「ぼくら」はきっと出会えるのだという思いが伝わってくるでしょう。

互いが互いの光であるために

炎を放ったのは「ぼくら」

泣きたいけれど帰れる場所がない・休む場所もない「ぼくら」は凍りつきそうでした。

しかしその心を溶かすために愛の炎を放ったのです。

このブースターを放ったのはどちらか一方だけなのでしょうか。

もしかしたら、お互いがお互いに愛情を放ったのかもしれません。

互いが互いに愛情を向ける関係性