Aメロでは、並木道を歩く主人公が、ベンチに座るカップルたちの様子を見ているという情景描写になっています。
木枯らしや日の光の様子が微笑ましく、落ち葉のいたずらっぽさが恋人たちの楽しい雰囲気を表現してますよ。
また、カップル「たち」と、複数形で表現されているところに注目です。
これは主人公が恋人を持つことに対するあこがれを持っていることをにおわせているのですね。
そしてBメロの歌詞につながっていきます。
君といつかは
恋人のように
そばにいる
それだけで
すべてわかり合えるのかな
出典: 結晶/作詞:秋元康 作曲:丸山真由子
Bメロでは、主人公の内面が描かれます。主人公には心に思っている人がいます。
それも遠くから見る片思いではなく、普段は友達として気の置けないやり取りをしているような近さです。
そして、関係が進めば相手と寄り添うだけで気持ちが通じ合えるのだろうか、と想像をめぐらせる主人公。
まるで
愛の結晶さ
出典: 結晶/作詞:秋元康 作曲:丸山真由子
サビに入り、主人公は恋人の間で育まれる思いを結晶で例えています。固まっていくということでしょうか。
そしてこの先訪れる冬の寒さにも耐えられるようになるだろうと、希望を感じさせる歌詞になっています。
2番の歌詞の解説
誰かの名を呼ぶ
テニスコート
出典: 結晶/作詞:秋元康 作曲:丸山真由子
2番のAメロは、1番と舞台が変わり、テニスコートでの情景になります。
ラリーを楽しむ恋人同士には、誰かが呼んだ声も耳に入りません。
テニスをしている最中、プレーヤーである恋人の間には会話はなく見つめ合うだけです。
ボールのやり取り自体が会話となっているのだと、主人公は考えます。
僕もどこかで
告白をして
特別な
微笑みで
言葉いらなくなるのかな
出典: 結晶/作詞:秋元康 作曲:丸山真由子
Bメロは「もし相手に告白をして恋人の関係になったら」と想像する主人公の内面描写です。
「自分達も言葉ではなく、笑顔で会話ができるのだろうか」と主人公が思いを巡らせます。
ところで、1番の歌詞では主人公は男性・女性どちらともとれました。
2番の歌詞で「僕」と出ていることから、少なくとも2番の主人公は男性だと思われます。
余談ですが、秋元康さんの歌詞は、一人称が「僕」である曲が結構多いです。
それが
愛の結晶さ
何本も線を描きながら
お互い 信じ合って
輪郭 生まれてく
出典: 結晶/作詞:秋元康 作曲:丸山真由子
2番のサビでは「結晶」と歌詞にはありますが、内容としては絵画のデッサンを思わせます。
テニスのラリーのやり取り、ボールの軌跡が絵を描く線。
それが重なり合って一つの輪郭が浮かび上がっていくのです。
そして、恋人同士のやり取りが重なることで、互いの愛おしさがよりクリアーになり……
それはやがて固い絆になるだろうと、明るい未来を主人公は想像しています。
結晶のコード進行
「結晶」は前奏から続くギターのアルペジオがとても印象的な楽曲です。
原調はG♭(変ト長調)ですが、移動ドでいうと「ラ→ミ→ド→ソ→」というパターンが繰り返されてます。
また、リズムも4拍子を正確に刻んでおり、てらいがありません。
この基本を憶えると演奏しやすくなるでしょう。
前奏
前奏は8小節で構成されています。2小節ごとに同じコードが繰り返されていますね。
E♭m B G♭ D♭
E♭m B G♭ D♭
E♭m B
Uh? Yeah! Yeah!
G♭ D♭
Uh? Yeah! Yeah!
E♭m B
Uh? Yeah! Yeah!
D♭sus4 D♭
出典: 結晶/作詞:秋元康 作曲:丸山真由子