Mr.Children【羊、吠える】歌詞の意味を徹底解説！吠える羊ってどういうこと？倦怠期って難しい

「羊、吠える」は2008年10月にリリースしたSUPERMARKET FANTASYに収録されています。

NHK北京オリンピックの放送テーマ曲と資生堂のCMソングに選ばれた“GIFT”。

テレビドラマ「コード・ブルー」の主題歌にも起用された“HANABI”。

東宝映画「恋空」の主題歌の“旅立ちの歌”など、華々しい収録曲が並ぶこのアルバム。

「羊、吠える」はどうしても華に埋もれてしまう楽曲…かと思いきや、いやいやそんなことはありません！

恋愛を経験した多くの人に「なんか、わかる」という不思議な共感を呼び、寄り添う。

ファンの間では「なぜこの曲が評価されないのか謎！」と言われるほどの隠れた名曲でもあるのです。

本作は2007年リリース、31枚目のシングル「旅立ちの唄」のカップリング曲でもあります。

オリジナルアルバムにカップリング曲が収録されるのは当時珍しいことでした。

2002年リリースのシングル「HERO」のカップリング曲である「空風の通り道」以来のことだったそうです。

歴代の楽曲の中でも選ばれた曲だったんですね。

曲は少し鬱々とした、やさしいギターから始まります。

特に変化もない日常をぼんやり眺めるような、淡々としたAメロ。

何かはっきりした原因があったのかわからない。いつ訪れたのかもわからない。

それが、倦怠期。

この楽曲は倦怠期が訪れた「僕」の心情を歌ったものなのです。

残念ながらPVがなかったので音源のみになりますが、歌詞解釈の前にぜひ聴いてみてください。

 狼や羊になぞらえた「僕」の心情はどういったものなのでしょうか？

わかるようでなんとも言葉にならない、そんな世界を覗いてみましょう。

歌詞解釈に入る前に、2人が出会ってから今に至るまでの道のりを少し想像してみましょう。

彼らはすでに付き合って長いようです。

思い出せば初めて出会ったあのとき、お互いのことを何も知らなかったあの頃。

「今頃何してるんだろう」、「好きな人はいるのかな」とあれこれ妄想しては眠れない夜。

ささいなことで笑い合う日々に世界はキラキラ輝いて見えました。

そして2人は愛情を確認しあい、晴れて恋人同士に。

たくさんの季節や時間を共有し、笑い合いときには喧嘩もしました。

そうしてお互いのことをすっかり知り尽くして、今。

2人は一緒にいることが当たり前になりました。

「ずっと一緒にいたい」

そう思っていたあの頃の夢が叶い、幸せなはずなのですが…？

曲はこんな出だしから始まります。

なんだかメランコリーな空気が漂っていますね。

付き合いが長くなると最初に感じていたささいなときめきはなくなってきます。

お互いのことを知り尽くしてくるので、新しい発見というのは必然的に少なくなってくるものです。

よほどのことがない限り大きな変化もないでしょう。

そんな安定しきった現状に「僕」はなんとも言えない気持ちを抱えているようです。

そして「よくも悪くもないけど、しいて言えば嫌なことが少し多い」という状態。

今は彼女の好きなところより、目につくところの方が気になってしまいます。

そんな彼は仕事もうまくいっていないのでしょうか、総じて自分に自信をもてないでいるようです。

たまに感じられる幸せは彼女からでも自分の中から湧くものでもなく、第三者の他人からの評価。

どうせ俺なんか、と卑屈になっている姿が目に浮かびます。