【ヨルシカ/雲と幽霊】バンド名の由来となった最重要曲の歌詞を考える！MVに隠された秘密も知りたい

何も見えず、何も言わず、誰も気付かない。

おそらくは亡くなっている人物は周囲に認識されることはなく、それは「君」も同様だと思います。

ただ、それでも残る思いがあり、「君」に対する思いは残っている。

人物は「君」の近くに座り、ともに空を眺めますが、おそらく2人の間に言葉はありません。

雲が遠い、夜の空が高い、という部分が人物の死、天界と下界の遠すぎる距離を示しているのだと感じます。

最後に人物は、おそらくは「君」に向かい、もういいんだよ、と呟きます。

もういいんだ、という言葉。

もう自分の死に囚われて苦しむ必要はないよ、と言っている言葉だと思います。

自分との過去に囚われず、前進してほしい。

前を向いてほしい。

人物の「君」を思う優しさが表れている切ない歌詞だと感じます。

もういいんだ、と人物は「君」に対して呟きます。

前述した歌詞の解釈と同様、やはり人物の優しさや思いやりが表現されている部分だと感じます。

ただ、その後の歌詞には、人物のもう1つの感情が映し出されているように思います。

幽霊になり、遠くにいる「君」を見に行く人物。

この部分は歌の冒頭と一緒ですが、最後の歌詞だけ異なっています。

「君」に言えない。

それが、きっと「君」には見えないに変化しているのです。

「君」に言えないのは、おそらくは幽霊である自分の声は聞こえないということ。

しかし、きっと「君」には見えない、という歌詞には人物の隠しきれない寂しさが表れているように思うのです。

自分が見に行っても、きっと「君」には自分の姿が見えない。

見えることはなく、まして、会うことなんてできはしない。

「君」を終始思いやっていた人物の堪え切れない悲しみが、この部分からは感じられるようです。

きっと「君」には見えない。

そう言って、この歌は幕を閉じます。

曲調と相まって、非常に切なさの感じられる歌詞となっていました。

2018年8月13日「雲と幽霊」のMVが公開されました。

MVは公開された瞬間から評判を呼び、2018年8月現在、再生数は68万回を記録。

高評価は3万7千を超えていることから、視聴者に絶賛されていることが分かります。

楽曲の良さだけでなく、MVも切なさ全開として評価されている「雲と幽霊」。

そのMVについても、詳しく見ていこうと思います。

MVは少年がベンチに座っている場面から始まります。

情景だけ見れば普通のシーンのようにも感じられますが、よく注視すると、少年には足がありません。

少年の足は黒いもやのようなものに包まれ、足先は窺うことができなくなっています。

このことから、少年はすでに亡くなっているのだと推察することができます。

少年は様々な場所を1人きりで歩き、風景を巡っていきます。

そして最後にバス停に辿り着き、バス停に1人きりで座る少女の姿を見つけます。

おそらくは、少女こそが少年の「君」なのだと思います。

このMV、普通に見れば、少年が少女を見に行って終わるという構成のように感じられます。

しかし、少年の道中をじっくりと見ることで、MVの仕掛けに気付くことができます。

MVの2分30秒付近、少年の手前に積み重ねられたレンガが映ります。

そのレンガの1つが不自然なことに、下から浮き上がって元の位置に戻るシーンが映写されるのです。

このことから、このMVは実は逆再生なのではないかという推察が成り立ちます。

つまり、少年は少女を見に行ったのではなく、少女を見た後に旅しているのではないかという考察が浮かびます。

こうした視点でもう一度MVを見ると、MVに対する感想も変わっていくように思われますね。

ヨルシカの「雲と幽霊」をご紹介しました。

切ない歌詞と透明感のある曲調は、n-bunaさんらしさ全開といった感じの曲となっています。

美しいMVも非常に見ごたえのあるものになっています。

最後に、ヨルシカの他の楽曲の記事をご紹介して終わります。

「雲と幽霊」に負けず劣らずの良曲が揃っていますよ！