リーガルリリー3枚目のシングル

「ハナヒカリ」は、リーガルリリーにとって3枚目のシングルです。

2019年9月に発売され、オリコンランキングでは59位を獲得。

玉城ティナさんが出演する映画「惡の華」主題歌でもあります。

変わらないでいて

好きな人に、ずっとそのままでいてほしい。

この曲に込められた最大のメッセージは、これではないでしょうか。

ここでの「そのまま」とは、外見の話ではありません。

強調されているのは内面や考え方、のことです。

人間は生きている中で変化していきます。

それは自然なことです。

ですが変化の中には、成長もあれば退化と呼べるものもあります。

視野が広がったり共感力が強まったりして、人に寄り添えるようになることが成長。

逆に、年を取るほど自己中心的になり、他人を顧みられなくなることは退化です。

歌詞に登場する「君」が、持っている優しさを失わないでほしいと願っている。

それが歌の主人公の願いなのではないでしょうか。

願いを読み解く歌詞解説

自然を切り取る

空は君よりも綺麗だった。
月は君よりも綺麗だった。

出典: ハナヒカリ/作詞:たかはしほのか 作曲:たかはしほのか

静かなギターの音から、曲が始まっていきます。

歌詞でもMVでも際立つのが、大自然の風景です。

歌詞の中には様々な自然の風景が登場します。

MVの中では、暗い中光る稲妻が特に印象的です。

自然は壮大な美しさを持っています。

日常の風景の中で自然に目を留め、「美しい」と感じることができるのは貴重です。

現代人の多くは自然を当たり前のものとして素通りしてしまうでしょう。

主人公は自然の中に美しさを感じ取る、繊細な感覚を持っているようです。

それらにあなたが包まれているから
まわりに照らされた君が1番、綺麗だった。

出典: ハナヒカリ/作詞:たかはしほのか 作曲:たかはしほのか

しかし、主人公が綺麗さを感じるのは自然だけではありません。

自然の中にいる「君」が、主人公にとってはなによりも美しいもの。

また、あえて「照らす」という言葉が使われているのも重要なところです。

スポットライトを始めとする照明は、モノや人を目立たせる役割を持っています。

インテリアに関心が高くない限り、照らされている対象に目がいくことが多いです。

スポットライトそのものを見る人は多くありません。

照明はモノを際立たせる引き立て役ともいえるでしょう。

ここでのスポットライトは自然の風景です。

自然の風景がライトのように「君」を目立たせている。

風景の中の主人公は「君」なのです。

孤独なふたり

ハナヒカリ思い出す。
夜の空のホームレス。

出典: ハナヒカリ/作詞:たかはしほのか 作曲:たかはしほのか

歌詞から、過去を振り返っているらしいことが窺えます。

「ハナヒカリ」は回想の歌なのでしょうか?

次の行にも気になる言葉が続きます。

これは次に続く戦闘機を意味する歌詞の可能性があります。

飛び交った戦闘機、光る君はあれに乗らないで。

出典: ハナヒカリ/作詞:たかはしほのか 作曲:たかはしほのか

夜は何が見えるでしょうか?

普通、星と月、都会に行けば夜景が見られます。

ホームレスとは、ここでは「異質なもの」を表す可能性があります。

星や月が普通にそこにあるものならば、戦闘機はそこを飛ぶ異質な存在なのです。

日常に属さないもの、所属するものがないもの。

それを意味するための言葉であり、元々の「家がない人」のことではないのです。

また、曲中の世界は戦時中かもしれないことも感じ取れるでしょう。

同軍の戦闘機はすれ違うように飛行することが滅多にないからです。

「飛び交う」からは、直線的でなく飛行する様子が察せられます。

戦闘中、あるいは警戒飛行中なのかもしれません。

単なる見回りでないことは確かです。

次には、主人公の願いが続きます。

主人公は「君」が戦争に参加してほしくないと思っているようです。

ここで登場する「光る」の表現は、心の輝きを表しているのではないでしょうか。

人体から光を発することは考えにくいです。

それよりは心が輝いている君、心の綺麗さのようなものだと考えると自然です。

悲しみが増していく