大槻ケンヂとデーモン小暮は「ありがとう」を聴いて自分たちへの感謝なのだろうと意見を一致させています。
Wikipediaには書かれていない意外な事実です。
この経過を踏まえると「ありがとう」の歌詞の意味あいが変わってきます。
ふたりを逢わせてくれてありがとう。
「ありがとう」という歌は大槻ケンヂとデーモン小暮への感謝になってしまいます。
ただし、この解釈は少し皮相な見方であるようにも思えるのです。
「愛こそはすべて」との相関関係
感謝しようという呼びかけ
ありがとう ありがとう 感謝して
感謝しよう ありがとう
出典: ありがとう/作詞:井上陽水奥田民生 作曲:井上陽水奥田民生
井上陽水奥田民生は最後のラインで聴いてくれる方に呼びかけています。
あなたも色々な人々へ感謝しませんか? と誘っているのです。
人生で出会ったすべての人に分け隔てなく感謝することの大切さを訴えかけているように思えます。
井上陽水奥田民生によるThe Beatlesの「愛こそはすべて」へのオマージュのように聴こえてくるのです。
歌詞だけでなくサウンドもリズムも「愛こそはすべて」の多幸感との相関関係をうかがわせます。
「ありがとう」の大切さ
感謝という社会的行為
私たちは他者への感謝を素直に示さないと社会生活が成り立たなくなります。
他者への感謝を忘れた人は社会的に信頼されなくなるのです。
社会を潤滑に発展させるのが「ありがとう」という言葉。
店で買い物をしたお客さんに店員は「ありがとうございました」ということをマナーとしています。
「ありがとう」という言葉や感謝する行為がなければ、この社会は円滑に機能しません。
人間は生まれながらにして社会性を不可欠とされた存在です。
成長していく過程で親などから「ありがとう」という言葉を覚えさせられて、他者への感謝をしつけられます。
親は社会生活を円滑に送ることができる人間に育て上げるために子どもに感謝という習慣を教えるのです。
このしつけがなければ子どもは社会から孤立してしまいます。
「ありがとう」は社会生活の基礎です。
まとめ:感謝しよう
井上陽水奥田民生の真摯な側面
井上陽水は諧謔的でシュールな歌詞ばかりが注目されます。
しかし「傘がない」「最後のニュース」などは真摯な姿勢を持ち続けるアーティストにしか書けない歌詞です。
奥田民生の父親は広島市議会の元・議員。
市民に献身的な議員さんで愛されていました。
「ありがとう」の歌詞に限らず、奥田民生が書く歌詞に滲む優しさは父親譲りなのでしょう。
優しさと寛容さが大切
井上陽水奥田民生の「ありがとう」は単純明快な歌詞ですが、その内容は奥深いことが分かります。
誰にでも分け隔てなく感謝することは中々難しいです。
相当な優しさと寛容さがなければできないこと。
でも挑戦してみる価値は充分あります。
感謝して 感謝しよう
出典: ありがとう/作詞:井上陽水奥田民生 作曲:井上陽水奥田民生
井上陽水奥田民生が挨拶代わりに投じた社会への一石です。
ふたりの思いをしっかりと受け止めて潤滑に発展する社会を今こそ築きたい。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。