2010年1月13リリースのサカナクション2枚目のシングルです。
関和亮監督によりワンカットで撮影されたミュージックビデオが印象的で、ボーカル山口一郎が幕張メッセを歩き回り進んでいくことで、要所要所で黒背景に白い文字が浮き出てきたりと様々な趣向が凝らされています。
この楽曲が、サカナクションのバンドとしてのイメージを決定付けた重要な1曲となったと言っても過言ではないでしょう。
またどこか懐かしいエレクトロのサウンドの中に文学的というよりも、リアルを描くかのように北海道から東京に出てきての心境やもがいていく姿、そして、決意の表れた歌詞になっているように感じます。
最後にまた最初のくだりに戻っていくところは輪廻を感じるというか、このループ感に鳥肌が立ちます。まさにアルクアラウンド。
第2位:DocumentaLy
1.RL
2.アイデンティティ
3.モノクロトウキョー
4.ルーキー
5.アンタレスと針
6.仮面の街
7.流線
8.エンドレス
9.DocumentaRy
10.『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
11.years
12.ドキュメント
出典: https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BSX7KPG
2011年9月28日にリリースされた5枚目のアルバムです。
シングル曲としては「アイデンティティ」「ルーキー」「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」が収録されており、サカナクションの名が世にどんどん広まっていくきっかけになった楽曲が詰め込まれたアルバムになっています。
その中から今回は「アイデンティティ」を紹介します。
- アイデンティティ
2010年8月4日リリース、3枚目のシングルです。
サカナクションにしてはギターロックが押し出されたサウンドに、ボーカル山口一郎の10代の頃の思い出を詰め込んだような歌詞がはまった楽曲になっています。
さらに曲の構成も秀逸でコーラスワークに合わせて、山口一郎の咆哮も重なり終盤に向かってどんどん盛り上がっていきます。
その中でもしっかりと歌詞の内容が伝わってきて、誰もが通ってきた10代の葛藤を歌っています。
ミュージックビデオはスタイリストとして関わってきた北澤“momo”寿志が監督を務め、一風変わったビジュアルに特化した作品に仕上がっています。
そんなメンバーの服装はもちろん、後ろに描かれる幾何学模様も印象的です。
さらにもっと印象的なのは最後にミュージックビデオ自体がパチンコ台になってしまうところ。この発想はなかなかないのではないでしょうか。
大当たりしているパチンコ台の中で演奏する彼らから何故か目が離せなくなります。
第1位:sakanaction
1.intro
2.INORI
3.ミュージック
4.夜の踊り子
5.なんてったって春
6.アルデバラン
7.M
8.Aoi
9.ボイル
10.映画
11.僕と花
12.mellow
13.ストラクチャー
14.朝の歌
出典: https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BNJ596W
栄えある第1位は自身のバンド名とも重なる「sakanaction」です。
このアルバムは2013年3月13日にリリースされた、6枚目のアルバムです。
オリコンチャートで初登場1位を獲得し、シングル・アルバムを通して、デビュー6年目にして初めての快挙となりました。
そして、バンドとして様々な活動にチャレンジしていく中で、「サカナクション」という色がハッキリと示されてくるようになった時期の作品になっています。
またアルバム制作は山口一郎の自宅で行われ、カチッとしたものを作るというよりは音楽を始めた頃の気持ちを大切にするような感覚で制作されたそうです。
今回はシングルにもなっている「夜の踊り子」を紹介します。
- 夜の踊り子
2012年8月29日リリース、7枚目のシングルです。
ミュージックビデオは田中裕介をディレクターに、北澤“momo”寿志をスタイリスト兼クリエイティブ・ディレクターに迎えて制作されました。
撮影地は富士山の麓で、メンバーは和服を身に纏い、踊り子が踊る中で富士山をバックに演奏する姿が印象的な映像になっています。
これは単純にズームをしているわけでなく、実際の距離感でカメラの位置を近づけていく手法をとっているそうです。
歌詞の内容は雨の日の夜、ここにいることに不安を覚え、駆け出そうとしている自分が主人公で、力強く進んでいこうとする様子を様々な例えで表現しています。
例えば「小学生」「水切り」「女学生」「あめんぼ」などで、なんだか青春時代を思い返すようなワクワクし、前向きになるフレーズが並んでいきます。
また雨=涙と解釈すれば、泣いた後にすっきりして先に向かって進んでいこうという決意のこもる歌詞にも受け取れます。
そして、最後のワンフレーズで腑に落ちる楽曲なので、ぜひ最後まで聴いてみてください。
ミュージックビデオが印象的
いかがでしたか?
サカナクションのアルバムを動画と共に紹介していきました。
彼らの特徴といえば、エレクトロやフォーク、ロックが混ざり合ったかのような新しい中にもどこか懐かしさを感じさせる絶妙なサウンドに、ボーカル山口一郎の紡ぎ出す文学的な歌詞です。
しかし、その音楽が素晴らしいのはもちろんのこと、今回紹介して分かるように特筆すべきはミュージックビデオのクオリティーです。
数々の賞も受賞するほど、そこにはこだわりが詰まっています。
このようにサカナクションの表現にとって映像は切っても切り離せない存在になっているのです。
音楽の幅広い楽しみ方を提起
最後に、サカナクションというバンドは「ミュージシャンとしての在り方」を常に模索し新しい試みをいくつもしています。
音楽を作ることはもちろん、ミュージックビデオ、DJイベント、生配信、映画音楽、ファッションショー音楽、然り「表現」というものを「音楽」そのものに囚われず、様々なアプローチで提起し、それを「発信」していくことで、道を示していくような存在になっていると思います。
耳だけでなく目でも楽しむことの出来るサカナクションの楽曲をぜひ一度味わってみませんか?
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