いつ散るかもわからないこの命、花を愛でるような暇などない

十二 酔いもせず
見るは夢か幻か
さあさ 誰も彼もが手を叩く
あなうつくし 仇桜
夜明けに散るとも知れず

出典: https://twitter.com/tatsuya_ooo/status/918790737986183169

「仇桜」という歌詞は明日ありと思う心の仇桜ということわざからきた言葉でしょう。

このことわざは明日も咲いているだろうと思っていた桜も、夜のうちに散ってしまうかもしれないということから、世の無常を説いています。

醒めていてもこの世の中は夢や幻のようなもの。

誰もが手を叩いて褒めそやす美しい桜も夜明けには散っているように、人々があれやこれやと騒ぎ立てる人生も儚いものだと言っているのですね。

自分には花を愛でる暇も、自分の人生への執着もないというひたすらに戦い続ける人生観が表れていますね。

勝負の世界は時の運なら覚悟を決めるのみ

勝つも負けるも時の運ならば
覚悟を決めて
いざ推して参れ

出典: https://twitter.com/shinondemairu/status/915919790941679616

戦い続ける人生で勝つのも負けるのも「時の運」なら、覚悟を決めて堂々と戦うのみだという信条を歌った歌詞

「刀語」の主人公ともリンクしているのでしょう。

愛しい人がいても、今日を限りと決めた命

人は流れて何処へ行く
涙流れて何処へ行く
君よ哀しと想うても
今日を限りと決めた命よ

出典: https://twitter.com/dokuhara_alter/status/917417199861604357

古典においてかなしとは愛おしいという意味です。

愛おしいと思う人がいても、今日の戦いで散る覚悟で戦っている自分には結ばれる資格がないということを歌っているのです。

戦いの中に生きる侍の悲しい運命ですね。

叶わない恋なら知らない方が良かった

知らぬが花 恋心
叶わぬなら嗚呼いっそ
この世はうたかた
流るるままに

出典: https://twitter.com/_fvl816/status/918239807750397952

いつ散るかもしれない命の駆け引きの中で、恋に気をとられるのは命取りです。

そのため、叶わない恋となってしまうのがわかっていながら、自分の想いに気づいてしまった戦士は迷います。

叶わない恋心なら知らない方が良かったと思いながらも、自分の運命に身を任せるのでした。

得手も不得手も入り乱れる戦い、紙一重の勝利を手に入れろ

十二(とうあまりふたつ)
今日超えて
見るは鬼か人の子か
さあさ得手も不得手も手を叩けあら楽しや 花の宴
湖面の月さえ捉う

出典: https://twitter.com/aoitakanashi/status/436706225607041026

鬼とも見違えるような戦いぶりで、「湖面の月さえ捉う」というのは、不可能を可能にして、勝利を勝ち取るという意味でしょう。

また、湖面の月というところから、水月は人間の急所でもあります。

紙一重の駆け引きを手中に収め、敵の急所をついて勝ち抜くという意味もあるのかもしれませんね。

そして、そんな激しい戦いを、「さあさ得手も不得手も手を叩けあら楽しや 花の宴」という歌詞では楽しんでいる様子も見られます。

自分の命を失うことも恐れない強者達の戦いは、まさに人生をかけた一生に一度、今を盛りと咲く花のような瞬間なのでしょう。