いきものがかりのバラード曲「なくもんか」
いきものがかりの優しいバラード曲「なくもんか」。2009年に公開された宮藤官九郎さん脚本・阿部サダヲさん主演の映画「なくもんか」の主題歌として耳にされた方も多いのではないでしょうか。
この楽曲、実はよく結婚式の入退場や両親への花束贈呈などのシーンでよく使われています。
その魅力がどこにあるのか、歌詞の意味をじっくりと読み込んでみました!
歌詞の意味をチェック!
まずは「なくもんか」の歌詞を見ていきましょう。
「ひょっとしたら皆ひとりぼっちで 歩いているんじゃないかな」
背負い込んだ寂しさを 打ち明けるわけも無く
またいくつもの背中が遠くなる
愛想笑いだけは上手くなってさ 大人にはなれたけど
僕が描いてたのは そんなものじゃないんだよ
もっと強くて優しいはずの温もり
誰かが差し伸べてくれてる その手を握る勇気が僕にあるかな
ささいな何でも無い距離が ちっぽけなこの心をいつも試してる
出典: なくもんか/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹 編曲:本間昭光
弱い部分をなかなか見せられない自分を変えたい
遠くなる背中が「いくつもの」という表現となっているところから、主人公が長い間、心の奥にある不安や寂しさを誰にも話せず、ひとりで抱えてきたことがわかります。
そのまま時間が経って、気がついたら理想としていた大人になっていなかったことに、成長しきれない自分への悔しさもあるようですね。
それでも「手を握る勇気があるかな」と、不安や寂しい気持ちを抱え込んでいる弱い自分を誰かにわかってもらいたい、という気持ちが芽生え始めています。
涙のかずだけ 笑顔があるんだ そう わかってるはずなのに
君の前では なぜか強がるよ まだ素直にはなれなくて
悲しい出来事も 嬉しい出来事も そう つながれたらいいのに
そうやって 僕らは ひとつひとつね 心を 拾っていくんだ
出典: なくもんか/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹 編曲:本間昭光
「君」だけにはわかってほしい
悲しいことがあった次には、きっといいことが訪れるだろうと、頭ではわかっていても、悲しい気持ちのときには先のことを考えられず、沈んでしまうものですよね。
本当は何でも「君」にはさらけ出したいけれど、そんな沈んでしまった姿を見せたくないと揺れる心情なのでしょう。
しかし、こうして葛藤しながらも「君」とは距離を縮め、つながりを深くしていきたい、という主人公の決意が描かれています。
失敗も裏切りも嫌なニュースも ごちゃまぜに胸ふさいで
見えないふりしたってさ そりゃ生きていけるけど
でも僕はまだ逃げたくはないんだ
どしゃぶり 崩れていく雨が また誰かの声をかき消していくよ
そこには困った顔をして 僕と同じ寂しさを抱いた君がいる
出典: なくもんか/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹 編曲:本間昭光
自分を理解してくれる「君」
悲しいことが起こったとき、現実から逃げない信念を持ってきた主人公。
「僕と同じ寂しさを抱いた君」という表現からは、主人公はいつも近くにいる「君」がそんな自分を理解してくれていることを肌で感じた表現になっています。
ふたりの距離がさらに縮まったことがわかりますね。
正しい"答え"なんて わかるわけないけど そう あきらめたくはないんだ
だって君がいて だって僕がいて 心は 求めているんだ
出典: なくもんか/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹 編曲:本間昭光
ふたりがお互いの存在を求め合う
ここでふたりがお互いに存在していることで、悲しい出来事にも一緒に立ち向かっていける、という強い想いが生まれています。
「わかりあうってことは ゆるしあうってこと」
"迷い"や"不安"でさえ僕らの"いちぶ"なんだよ
ひとつ ひとつの涙を ちゃんと覚えておこう
ほらまた君と 笑いあえたら
出典: なくもんか/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹 編曲:本間昭光
一緒に流した涙でひとつになる
これまで流せなかった涙を一緒に流すことで、迷いや不安を受け入れることができた瞬間です。
この経験を心に刻み、ずっと笑い合えるふたりになっていきたい、という気持ちが表現されています。