深い愛の物語
「恋は落ちるもの」という名言は、江國香織さんの小説「東京タワー」に出てきます。
日本では2005年に映画化もされた「東京タワー」。
V6の岡田准一さんが演じた役柄の名セリフとなりました。
韓国では「密会」というタイトルで2014年にドラマ化され、岡田さんの役を演じたのはユ・アインでした。
※ユ・アイン:ドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」のコロ役でブレイクした俳優です。
小説も映画もドラマも大人気なので、どれかに触れたことがある人も多いのではないでしょうか。
要するに恋、それも深い愛の物語です。とにかくエモーショナル!
そう、エモいといえばBIGBANGの「Emotion」。
ここで話がつながりました。
実は「Emotion」と「東京タワー」&「密会」の世界観は似ているのでは?と考えられます。
この小説・ドラマ・映画にまだ触れたことがない人は「Emotion」と併せてお楽しみいただきたいほど。
そんな「Emotion」は日本デビュー曲「MY HEAVEN」のカップリング曲。
どちらもリリースは2009年でした。
BIGBANGのファンを続けていると、とにかく感情を揺さぶられる出来事が多いかもしれません。
そんな<感情>という意味の「Emotion」。この深い愛に彩られた歌詞について解説していきます。
この愛は危険?
「Emotion」はサウンドもエモーショナル。
ビートはハンドクラップが特徴的なスローテンポ(BPM70くらい)の4つ打ちですが…。
上モノは泣きの入ったシンセサイザーのリフ(繰り返し)が印象的です。
ボーカルにもたくさんエフェクトが入っていて、どこか現実離れした浮遊感がただよいます。
- イントロ
- 1番:Aメロ・Bメロ・Cメロ
- 2番:Aメロ・Bメロ・Cメロ
- 3番:Aメロ・ラップ・Cメロ×2
- アウトロ
曲の構成で大きな変化があるのは3番。Aメロの雰囲気が変わり、ラップが入るという展開があります。
さて歌詞はどうなっているでしょうか。まずは1番から見ていきましょう。
会いたい想い
危険なペース分かってて
I cannot stop
君のルール 乱して Fool
Burning love Higher
心が 無言のShout 眼差しで
I wanna touch I wanna kiss
I wish with you
出典: Emotion/作詞:G-DRAGON・KOMU 作曲:JIMMY THORNFELDT・MOHOMBI MOUPONDO(REDONE)・PERRY BORJA(YG FAMILY)
英語混じりの日本語でいきなり<危険な愛>が始まります。
気になるワードは<ペース>と<ルール>。
伝わってくるのは、とにかく愛が熱く盛り上がっているということ。
主人公の男性は、恋する<君>にもタイミングとか何やら規則があると把握しています。
それなのに「君と一緒にいたい」という恋心のほうが勝っている様子。
むちゃくちゃラブラブでも日常生活さえまともに送れていれば何も問題はありません。
日常生活に支障をきたすほど頻繁に会いたい!ということであればちょっと困った感じですね。
しかも「今日はダメ」などとわかりながら会いに行っているのではないでしょうか。
それでも止められない…というのですから非常に危険です。
ただ良くないという自覚はある様子。
これが<ペース>というワードを軸に想像される物語ですが…。
<ルール>はさらに意味深かもしれません。
ルール違反
Oh Oh Oh 奪いたい
Just you Just now
Come baby Come baby Come
Oh Oh Oh 今じゃなきゃ
Ride here Ride now
出典: Emotion/作詞:G-DRAGON・KOMU 作曲:JIMMY THORNFELDT・MOHOMBI MOUPONDO(REDONE)・PERRY BORJA(YG FAMILY)
男性が熱烈な想いを寄せる君が抱える規則とは?その答えが明らかになるBメロです。
この2人はただのラブラブカップルではありませんでした。
男性にとって君は奪わないと手に入らない存在。
つまり君には既に決まったパートナーがいるということ。
本命の恋人、それともダンナさんでしょうか。
はっきりとは明言されていませんが、どうやら不倫の気配がしてきました。
それはルール違反ですね。
ところが「今すぐ会いたい」なんて、これはもう<危険な愛>確定!
<行動>と<感情>
It's all ready in motion
僕らもう 確かに恋に落ちてる
It's in motion It's emotion
感じるまま抱きしめて
It's in motion
出典: Emotion/作詞:G-DRAGON・KOMU 作曲:JIMMY THORNFELDT・MOHOMBI MOUPONDO(REDONE)・PERRY BORJA(YG FAMILY)
実は冒頭でご紹介した「東京タワー」&「密会」は不倫の物語なんです。
もちろん現実とフィクション(創造)はまったく別。現実ではもちろん不倫はいけません。
ただ、小説・映画・ドラマ・歌といった創造の世界での感情移入は問題ないでしょう。
常識の範囲内であれば。
「Emotion」という歌物語の主人公と君の恋はもう具体的に動き出しています。
愛という感情に素直に従って…。
この<行動>と<感情>が英語で韻を踏んでいます。
現実では、あるいは創造の世界の君のパートナーにすると…。
「韻を踏んでいる場合?」という話になりますね。
主人公の心に寄り添ってみると、創作された歌詞としては非常にエモーショナルです。
運命の愛について
ハラハラするようなイケない愛が描かれた「Emotion」。
2人の関係はいったいどうなるのでしょうか。
続いて2番です。