昨日の宿題は 相変わらず 解けないや
過不足無い 不自由無い 最近に 生きていて
でもどうして 僕達の 胸元の 塊は
消えたいって言うんだ 死にたいって言うんだ

出典: ロストワンの号哭/作詞:Neru 作曲:Neru

言及されている「宿題」の内容は、「僕」自身についてのものでした。

自分自身を見つめようとする態度が、「僕」を苦しめ続けています。

「僕」にとっては、自分自身のことがよく分かっていないのです。

悪いのは誰?

面積比の公式言えますか 子供の時の夢は言えますか
その夢すら溝に捨てたのは おい誰なんだよ もう知ってんだろ

出典: ロストワンの号哭/作詞:Neru 作曲:Neru

再び問いかけです。

おそらく「僕」は、前者には正解し、後者の問題には口をつぐむのではないでしょうか。

あるいは夢を覚えていても、それを捨ててしまったことを思い出すのでしょう。

「僕」の心は、「僕」自身に容赦なく詰め寄ります。

心は「僕」に責任を認めてほしいと思っているのです。

明確な答えのある問題は解けるけれど、人生に応用する力はない。

生きていくためとはいえ、心を固く閉ざして人を見下す冷酷さを手に入れてしまった。

そんな冷たい人間は、ほかならぬ「僕」自身のせいで出来上がってしまったのです。

心が変われない

心豊かな「大人」になるには

いつになりゃ大人になれますか そもそも大人とは一体全体何ですか

出典: ロストワンの号哭/作詞:Neru 作曲:Neru

このフレーズこそ、「僕」がすでに成人しているのではという考察の根拠です。

「僕」は、年齢的にはすでに「大人」と呼べるくらいに成長したのではないでしょうか。

しかし、精神面では何も変わっていない。

むしろどんどん人間性が貧しくなっていると感じている可能性があります。

「大人」という言葉の定義も実は曖昧なものです。

20歳、あるいは18歳を境に、社会的に「成人」として認められます。

仕事をしてお金を稼ぎ、自立した生活をしていれば「社会人」です。

ところがどちらも、人間性が幼稚でも達成できてしまいます。

形ばかり成長して、心はどんどん窮屈になっている。

「僕」はそう感じているのではないでしょうか。

教えてくれる人は誰

どなたに伺えばいいんですか おいどうすんだよ もうどうだっていいや

出典: ロストワンの号哭/作詞:Neru 作曲:Neru

人間的に成長するために、一体なにをすれば良いか。

これに明確な答えは存在しません。

心を豊かにするものは、人によって違うからです。

模範的な生き方に慣れた「僕」は、やり方を教えてくれる誰かを求めています。

ですが、その誰かは存在しないのです。

何をやれば良いかは、自分自身で決めなければなりません。

その時に頼れるのは、自分の心です。

ところが「僕」は心に頼ろうともせず、外に答えを求めてばかりいます。

大切なことに気づかせようとした「僕」の心は、ついに本当に投げ出してしまいそうです。

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