お別れするより 死にたいわ
女だから
出典: なみだの操/作詞:千家和也 作曲:彩木雅夫
主人公は、この恋に身を焦がしているようです。
心底お相手のことが好きなのでしょう。
彼を諦めるくらいなら、死んでしまいたい。
彼女の強い想いもさることながら、深い悲しみを感じさせるフレーズです。
女だから仕方ない。
ここまでいいきれる主人公の個性がとても魅力的なのではないでしょうか。
合理的に解決できない、恋の一面をうまく描いています。
たとえ会えなくなったとしても、それが諦める理由にはならないのです。
むしろ、想いは強まってしまうばかり。
主人公はどこで見切りをつけたら良いのでしょうか?
忘れられない
失ったもの
あなたの匂い 肌に沁みつく女の操
棄てられたあと 暮らしてゆけない
出典: なみだの操/作詞:千家和也 作曲:彩木雅夫
ここで、主人公とお相手の関係性が垣間見えてきますね。
彼の匂いが、彼女の身体に残っているほど密接な関係であったことが窺えるでしょう。
身体を“女の操“と表現することによってとても特別な感じがします。
肉体をただ意味しているのではなく、恋愛世界の小道具のような存在。
あえて、“女の“とつけることによって彼女の情念が付加されているようです。
彼は去っていってしまった後のようですね。
主人公は途方にくれ、絶望しています。
深い悲しみの感情が辛いですね。
変わります
私に悪いところが あるのなら
教えてきっと 直すから
出典: なみだの操/作詞:千家和也 作曲:彩木雅夫
この楽曲が、生まれたのは高度成長期であったと先ほど書きました。
女性の社会進出とは逆行している内容ではありますが、ある真実を歌っていると思うのです。
それは、男女に関わらず、恋愛には簡単に割り切れない部分があるということ。
そのことを描いているからこそ、ミリオンセラーに繋がったのではないでしょうか。
誰にでも、終わった恋に未練が残る時はあります。
むしろそれは自然なことなのでしょう。
万人が理解できる心情であることを証明しているように思うのです。
責めないわ
恨みはしません この恋を
女だから
出典: なみだの操/作詞:千家和也 作曲:彩木雅夫
主人公は、決して相手を責めないと誓っているようですね。
女性であることの誇りもあるのでしょう。
人を責め続けるような暗いことは致しません。だから戻ってきて欲しい。
ここまでくると未練というより、強い決意が感じられます。
彼が戻ってくるまで、貞操を守り精神的にも美しくいたいという彼女の美学が魅力的でしょう。
失恋した後にも、人生は続きます。
どんな状況になっても、自分の在り方を自分で決めている主人公はとても強い人なのでしょう。
美しい心で
負けないわ
あなたにだけは 分かるはずなの女の操
汚れを知らぬ 乙女になれたら
出典: なみだの操/作詞:千家和也 作曲:彩木雅夫
主人公は、彼が去っていってからずっと独りを貫いています。
だから、もし次に彼が彼女と出会った時は彼もそのことに気がつくはずなのでしょう。
とても微妙な変化も、恋愛関係にあった男女間ではわかる時があります。
例えば、服の匂いが変わったとか、些細な仕草が変わったなど当事者にしか気がつかないこと。
そのことを語っているのだと思うのです。
それに加えて、主人公は清らかな存在になることを望んでいるのでしょう。
また彼に会った時に選んでもらえるように。