第4位 「生きていたんだよな」
2016年11月30日発表、あいみょんの記念すべきメジャー・デビュー・シングル。
ドラマ「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」のオープニング・テーマで、あいみょん初のタイアップ曲です。
重い内容の曲。
歌というより語りで綴られる残酷な描写が話題になりました。
テーマの重さを考慮してこの曲をTOP10の第4位に推します。
歌詞を見ていきましょう。
自殺した女子高生へのレクイエム
二日前このへんで
飛び降り自殺した人のニュースが流れてきた
血まみれセーラー 濡れ衣センコー
たちまちここらはネットの餌食
「危ないですから離れてください」
そのセリフが集合の合図なのにな
出典: 生きていたんだよな/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
衝撃的な歌い出しです。
自殺した女子高生を想い歌います。
インターネットでは自殺に関して無責任・無根拠な噂話が伝播する。
他者の不幸に関して共感力が薄らいでいる時代の雰囲気が伝わってきます。
それでもあいみょん自身は自殺したこの女子高生に精一杯の想いを寄せるのです。
1曲完成させて自殺した彼女への花束代わりに歌います。
生きて生きて生きて生きて生きて
生きて生きて生きていたんだよな
最後のサヨナラは他の誰でもなく
自分に叫んだんだろう
サヨナラ サヨナラ
出典: 生きていたんだよな/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
真摯な叫びにも似た歌詞です。
10代、20代の女性がカラオケでこの曲を歌います。
あいみょんが歌に託した哀しみや切なる想いが若い女性たちに伝わっている証拠です。
いま一度、共感力をこの世の中に復権させたいもの。
世代でNo.1のアーティストが真摯な歌を届けてくれる。
音楽のチカラで寛容かつ他者へ優しい時代へと変わって欲しいと切に願います。
第3位 「君はロックを聴かない」
2017年8月2日発表、あいみょんのメジャー通算3作目のシングル。
JOYSOUNDの人気曲ランキングでは第2位に輝いています。
カラオケでこの曲を歌うのは男女ともに10代、20代が中心。
男女比は男性が38パーセント、女性が62パーセントです。
あいみょんの他の曲は女性が70パーセントを優に超えています。
この「君はロックを聴かない」が如何に性差関係なく愛されているかよく分かります。
主人公の「僕」に男性たちが自分を投影しているのでしょう。
歌詞を見ていきましょう。
恋人ならば悦びの価値を分け合いたい
君はロックなんか聴かないと思いながら
少しでも僕に近づいてほしくて
ロックなんか聴かないと思うけれども
僕はこんな歌であんな歌で
恋を乗り越えてきた
出典: 君はロックを聴かない/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
恋人ならば趣味を分け合いたいという願望を持つのは自然な気持ちだと思います。
趣味から悦びを得ているなら尚更です。
最近はロックの本場アメリカ合衆国でもHIP HOPに押されているのがロック・ミュージックの現状。
それでもロック・ミュージックは人々の気持ちを鼓舞する音楽であることに変わりはないです。
この曲の主人公「僕」もロック・ミュージックに何度も救われてきました。
だからこそ「君」にもロック・ミュージックを聴いて欲しい。
そして悦びをふたりで分かち合おう。
あいみょんのこの歌はエバーグリーンな輝きを放つフォーキーな名曲です。
第2位 「マリーゴールド」
2018年8月8日発表、あいみょんのメジャー通算5作目のシングル。
サビのメロディが切なくて広く愛されています。
JOYSOUNDのあいみょんのカラオケ人気曲ランキングで堂々の第1位(2019年4月)。
あいみょん本人にとっても思い入れが強い曲なのでしょう。
NHKの紅白歌合戦(2018年)でこの曲を選んで歌っています。
切なさが漂う歌ですが展開がスムーズなので爽やかさも同居しているようです。
バンド・サウンドでありますが、アコースティック・ギター1本での弾き語りでも映える曲でしょう。
歌詞は昔日の面影を追う「僕」の独白。
「僕」の「君」へと注がれる優しげな眼差し。
歌詞を見ていきましょう。