あなたに伝えたい

10代の頃、親との会話が減り、ギクシャクしてしまう期間、ありませんでしたか?

親の存在が疎ましく感じる時期は誰しもあったのではないでしょうか。

でも今は、そんな親に話したいことがある。伝えたいことがある。

「会わせたいと思える大切な人ができました」と伝えたい。

あなたに あなたに 
話したい 伝えたいことがある
あなたに あなたに 
会わせたい 大事な人がいる
いっちょまえに好きな人ができました 
それはそれはスゲ〜綺麗な花
あなたもきっと気に入るから

出典: 3090〜愛のうた〜/作詞:山猿 作曲:HIRO from LGYankees

ここで一歩歌詞に踏み込むため、ボーカル遠藤さんがどんな子どもだったのか見てみましょう。 

彼は小学生の頃はいつも歌を歌っている明るい子だったそうです。

けれど中学生から急に人を話すのが苦手になってしまい、保健室登校の日々。

なんとか通い始めた高校は親に黙って1年で中退してしまいます。

それを知った父親は怒りはしませんでしたが、「なんで辞めたんだ」と悲しそうな顔をしたそうです。

それから父と子の間に長い空白の時間が流れました。

 時間がかかったけど、歌を歌うことでまた自分らしく生きられるようになった彼。

そして「こんな俺にも、いっちょまえに好きな人ができました」と歌で伝えました。

父親はこの知らせをどんな気持ちで聞いたのでしょう。

続く歌詞も見ていきましょう。 

数々の思い出

思い出せば懐かしいね 
触れた分だけ 
あったかくなるあん時のままで
夏になれば海、山、川 
冬になれば作るでかいかまくら
また行こうね 
二人の秘密にしてた 
よく釣れたあのポイントの釣り場へ
今度は俺が運転で 
帰ったら二人で語って飲もうね

出典: 3090〜愛のうた〜/作詞:山猿 作曲:HIRO from LGYankees

歌詞を見るだけで父親と多くの時間を過ごしたことがわかりますね。

遠藤さんの地元の福島県会津若松市は自然が豊かなところ。

春は山菜採り、夏は渓流釣り、秋はキノコ採りに、冬に雪が降ればかまくらづくりと。

とにかく自然に囲まれて遊んでいたそうです。

父親に触れた温かさなどの感覚も一緒に、全てが鮮やかな記憶としてまぶたに焼きついているようです。

あなたが俺にしてくれたこと
それはあなたから学んだもの
あなたと過ごした春夏秋冬 
一つ一つの思い出が宝物
春になって大人になって 
お互い口数も徐々に減って
タバコの匂いに慣れた頃に 
ありがとって言えた

出典: 3090〜愛のうた〜/作詞:山猿 作曲:HIRO from LGYankees

子どもの頃はよくわからなかった親からの愛情

大人になり子どもをもつようになると、いろんなことが愛情だったんだとわかるようになります。

いろんなところに連れて行ってくれたこと。

何も言わずただそばにいてくれたこと。

ときには怒ってくれたこと。

そうしてくれた思い出、見せてくれた背中一つ一つが今の自分を作ってくれています。

抱かせたい宝物がある

あなたに あなたに
届けたい 見せたい幸せがある
あなたに あなたに
抱かせたい宝物がある
桜が咲く前に生まれました 
それはそれは元気な男の子が
まだ3090グラムの小さな天使

出典: 3090〜愛のうた〜/作詞:山猿 作曲:HIRO from LGYankees

タイトルにある「3090」という数字。

この数字は生まれた子どもの体重なんですね。

それも男の子です。

生まれた息子を愛おしく想う自分と、自分にたくさんの愛情を注いでくれた父親の姿が重なるようです。

親になって初めてわかった気持ちがここに含まれているのではないでしょうか。

Big respect!

当たり前のように愛してくれたように
あなたが俺にしてくれたみたいに
願いこの子にそそいだ愛
やがてそれは芽となりデカく咲け
あの時に渡せなかった想いは
離れてる空に今届きますか?
照れずにちゃんと言えてたらなぁ
Big respect my father!!

出典: 3090〜愛のうた〜/作詞:山猿 作曲:HIRO from LGYankees

親って本当に偉大です。

親自身が生きていくことの他に、子どもに食べさせたり時間を割いたりしてくれているのですから。

当たり前のようにしてくれた数々のこと、きっと大変だったこともたくさんあったはずです。

今度は自分が子どもに愛情を注ぐ番になりました。

自分が大きく花開くためにずっと見守ってくれた親。その親にここで感謝を歌っています。

「照れずにちゃんと言えてたら…」

ここで言うように、まだこの想いは伝えられていないようです。

彼の想いは届くのでしょうか?それは後述しましょう。 

届きますように