【和訳】
だから僕のなかの悲しみとともに
僕ができる一番のことは
すべてを終わらせ
永遠に手が届かないほどに遠くへ行くこと
それだけだ
【解説】
シンジが乗るエヴァンゲリオン初号機がトリガーとなり、「サードインパクト」が起こります。
「サードインパクト」とは全世界規模の大災害。
これまで「ファーストインパクト」「セカンドインパクト」が起こってきました。
碇シンジの父、碇ゲンドウ率いる「NERV(ネルフ)」が戦ってきたのは、それらの大災害から人類を守るため。
しかし暗に、碇ゲンドウは「人類補完計画」を進めていたのでした。
綾波レイにたいする純粋な思い
父ゲンドウに認められたいという純粋な思いから、エヴァに乗り戦ってきたその息子シンジ。
まさか自分が、壮大な父の思惑のなかで父に利用されているとも知らずに、必死に悩みながら戦ってきました。
最後だって、ただ綾波レイを救いたいという思いだけで突っ走ります。
その結果がサードインパクトであり、人類の滅亡だったなんてことは関係がありませんでした。
目の前の女の子を救う、というそのためだけに14歳の少年は身を挺して立ち向かっていった…。
大人の思惑とは別に、子供たちの戦いの理由はいつでもシンプルだったのです。
それでも結果的に、シンジは初号機とともにすべてのトリガーとなってしまったのでした。
終わりゆく世界
what's done is done
it feels so bad
what once was happy
now is sad
I'll never love again
My world is ending
出典: Komm,su[:]sser Tod~甘き死よ、来たれ/作詞:庵野秀明,Mike WYZGOWSKI 作曲:鷺巣詩郎
【和訳】
すべては終わり過ぎ去っていく
それはとても悲しく感じるけど
あの頃は楽しかった
今はそれが悲しい
僕はもう二度と愛したりはしないだろう
僕の世界が終わっていくんだ
【解説】
エヴァに乗ることでたくさんの苦しみを味わってきたシンジ。
けれど楽しい日常もたしかにありました。
葛城ミサトとアスカとの賑やかな共同生活。
心通い合ったはずの、綾波レイとのやりとりの数々。
まるで兄貴分のような存在だった加持リョウジ。
そしてクラスの仲間たち。
楽しかったはずのかつての日々はもはや過去のことで、今のシンジにはそれらがただ悲しいだけに思えます。
過去と今を完全に切り離し、人と人の垣根をそうして取り払っていくのです。
最後にはただ後悔だけが募る
もう元には戻せない…
I wish that
I could turn back time
Cos now the quilt
is all mine
Can't live without
The trust from
those you love
I know we can't
forget the past
You can't forget
love and pride
Because of that
It's kill in me inside
出典: Komm,su[:]sser Tod~甘き死よ、来たれ/作詞:庵野秀明,Mike WYZGOWSKI 作曲:鷺巣詩郎
【和訳】
時間を巻き戻せたらいいのにって思うよ
罪はすべて僕のなかにある
愛する彼らの信頼なしには生きていけないんだ
僕たちは過去を忘れることなんてできない
あなたは愛と誇りを忘れることはできない
そういったことが僕を心の中から傷つけていくんだ
【解説】
そんな風に、過去を切り離そうと考えるシンジでしたが、やはりそうはいかないようです。
これまでの仲間たちとの楽しかった日々がよみがえります。
そして自分の犯してしまった罪を認めるのです。
もしくは罪は原罪としてはじめから自分のなかにあったのかもしれません。
自分が今このような選択と行動をしてしまったのは自分がもともとこのような人間だったから…。
そのように捉えることもできるでしょう。
自分に優しくしてくれた人たちの思いを裏切るようなことをしてしまった。
その後悔に、ここでシンジはさいなまれることになります。
暗い絶望の淵へ
It all returns to nothing
it all comes
tumbling down
tumbling down
tumbling down
It all returns to nothing
I just keep
letting me down
letting me down
letting me down
出典: Komm,su[:]sser Tod~甘き死よ、来たれ/作詞:庵野秀明,Mike WYZGOWSKI 作曲:鷺巣詩郎
【和訳】
今すべてが無へと還っていく
そしてすべてが
崩れていく
崩れていく
崩れていく
今すべてが無へと還っていく
僕はこのままずっと
失望していく
失望していく
失望していく
【解説】
しかし今さら後悔してもすでに世界の崩壊は止められません。
あの楽しかった日々と、それをもう取り戻せないという後悔。
そんななかで、シンジの心は暗い淵へと深く深く沈んでいきます。
シンジはどの大人からも選択を強要されたことはなく、いつも自分で選び取ってきました。
しかし大抵の選択は誤ったもので、後悔をすることも多いです。
けれどそれでもよいのではないでしょうか。
シンジはまだ14歳の子供で、その子供の過ちを正すのが大人の責任だからです。
救われることなく終わっていく
In my heart of hearts
I know that
I called never love again
I've lost everything
Everything
Everything
that matters to me
matters in this
world
出典: Komm,su[:]sser Tod~甘き死よ、来たれ/作詞:庵野秀明,Mike WYZGOWSKI 作曲:鷺巣詩郎