DIR EN GREY【embryo】歌詞の意味を解釈！誰に向けられた“バイバイ”なのかについて迫る

おなかの中には子どもがいたのです。これまでのストーリーと併せて考えれば、父親との間にできた子でしょう。

嫌いな父親との間にできた子。

その子どもに罪はなくとも、殺すほど憎んでいた相手との子なら堕胎を考えるかもしれません。

しかし明確に綴られてはいないものの、女の子は子どもを育てる気でいるようにも思えるのです。

もしそうだった場合、父親に抱かれることを望んでいた可能性や、母親のことを邪魔に感じていた可能性もありますね。

先述したこちらのフレーズ。

父親を油断させ、母親の恨みを晴らす計画を実行するための準備だと解説しました。

しかしどことなく、父親との関係を死んだ母親の幽霊に見せつけているかのようにも感じられませんか？

父親に抱いてもらえなかった母親に対し、勝ち誇った気持ちを抱いている女の子。

そう考えると、全ては女の子の計算通りだったとも考えられるのです。

子どもがほしかった女の子は邪魔だった母親を自殺に追い込み、9年後に用無しの父親を殺害しました。

これで自分の子どもと2人、幸せに生きられると考えていたのかもしれません。

これは非常に極端な解釈にも見えるでしょう。

しかし大好きだった母親にも、大嫌いだった父親にも、死後「バイバイ」と同じ言葉をかけていました。

永遠に会えない相手に対する言葉にしては、あまりにもアッサリしていると感じた人もいるのではないでしょうか？

つまりこれが女の子の本心だとすると、2人の死は彼女が望んだものだったと解釈できるのです。

父親と母親と娘。一家を襲う大事件を描いた【embryo】は、多くの人に衝撃を与えたことでしょう。

女の子が何を考えていたか、本心は結局最後までわかりません。

ただいずれにせよ、父娘が関係を持ったことで一家が崩壊したことは事実。

どのような解釈をしても胸が痛む、そんな悲しく切ない物語をご紹介しました。

最後に関連記事をご紹介しましょう。

DIR EN GREYの楽曲に共通する大きなテーマは「痛み」。

他の楽曲の歌詞でも、様々な痛みが表現されています。

まずはこちらの楽曲。東日本大震災後にリリースされた【DIFFERENT SENSE】の歌詞解説記事です。

醜い論争で傷つけあう人々を客観的に見つめて綴った歌詞世界にご注目ください。

こちらの記事ではそんな「痛み」をテーマに、彼らの楽曲をランキング形式でご紹介。

MVとともにそれぞれの楽曲が持つ世界観を丁寧に解説しています。

グロテスクな描写が苦手な人は要注意…？彼らが持つ独自の世界観を存分にお楽しみください。