【115万キロのフィルム】Official髭男dismのアルバム収録曲！歌詞に込められた想いとは？

ここでも半永久的に続くであろう僕と君の関係を感じさせるフレーズが登場しています。

先ほどはエンドロールを避けようとする心理が描かれていました。

君と僕の物語が終わってしまうことを嫌がる気持ちを表現していたと考えられます。

続く歌詞で避けたがっているのは「クランクアップ」。

同じく2人の物語が終わることを嫌がる気持ちだと想像できますが、意味するものは少々異なっているでしょう。

エンドロールは映画を見ている人たちに対して、その物語の終わりを伝える役割を持ちます。

反対にクランクアップは、その映画に出演している人たちにとっての終わりです。

つまりエンドロールを避けるのは映画の作り手である僕が、この先も続く君との関係を願っているから。

それに対してクランクアップが未定なのは、君がいつまで一緒にいてくれるのか、その未来が不確定だからです。

これは君が自分の元を去ってしまうかもしれない、という不安を意味するのではありません。

その証拠に、4行目でタイトルにも含まれる「115万キロ」のフィルムが登場しています。

115万キロというのは、映像を記録する際に使用するフィルムの長さ。

これは、約80年間分を録画するために必要なフィルムの長さだといわれています。

つまり僕はこの先80年間、ずっと君のことを1番近くで見守り続けようとしているのです。

そしてその姿を、一瞬たりとも見逃さないよう記憶に刻み付けようとしているのでしょう。

ここでの「クランクアップ」は人生の終わり、つまり年老いて死別する未来。

君がこの世を去るまで添い遂げようとしている、僕の大きな愛と覚悟が感じられます。

この先も続く長い人生、何が起こるかは誰にもわかりません。

そんな不確定な未来だとしても、僕には1つだけ確信していることがあるようです。

それは君と過ごす未来が幸せに溢れ、素晴らしいものになるということ。

歌詞1行目で、迷いなく「名場面」と表現していることからも明らかです。

もちろんこの先の人生、「良いことしか起こらない」と思っているわけではありません。

むしろ「何が起こるかわからない」ということはしっかり理解しているでしょう。

しかしそれを含めても先の人生、「名場面」しかないのです。

こう断言できる理由はただ1つ、僕の隣には常に君がいるから。

2行目にあるとおり、君さえいればどんな困難が降りかかろうとも乗り越えられると信じているのです。

意味をかみ砕いて解説すればありきたりに思えるこの言葉。

しかし歌詞のような表現にすると、途端にロマンチックな愛の言葉になりますね。

さすが監督、君を輝かせるための演出を惜しみません。

先ほどの歌詞にあった通り、主人公はフィルムがなくなるまで撮影を続けるつもりでいる様子。

しかしそれが叶わないかもしれないことも同時に理解しているのでしょう。

この楽曲が発表された2018年時点で男性の平均寿命は81歳、対して女性は87歳でした。

仮にこの2人が20歳で出会っていたとしても、80年後には100歳。

つまり平均寿命だけを元に考えると、2人が残りの人生の中で115万キロのフィルムを使い切ることは難しいのです。

そんな状況でも確実なのは、僕はこの世に存在する限り君のそばから離れることは絶対にないということです。

最期の瞬間まで君のことを見守り続け、愛し抜く。

だからこそここでは「フィルムを使い切るまで」ではなく「命ある限り」という表現をしたのでしょう。

繰り返し歌われてきた君への大きな愛を改めて言葉にしたところでこの楽曲は幕を閉じます。

Official髭男dismの「115万キロのフィルム」を紹介させて頂きました。

音楽と映画を上手く合わせた楽曲だと思います。

Official髭男dismといえばラブソングだな、と改めて感じることが出来ました。

君に対する大きな、そして深い愛情をたっぷり詰め込んだ、ちょっぴりキザなラブソング。

恋人に限らず、自分にとって大切な人と過ごす日々がいかに幸せで愛に溢れているか…。

こんなことを改めて考えさせられた人も多いのではないでしょうか。

とても素敵な曲でアルバムはスタートを切りました。

どんな曲が続いていくのだろう、と思わせてくれますね。

「エスカパレード」はとても豪華なアルバムになっていますので、他の曲も是非聴いて頂ければと思います。

OTOKAKEではアルバム収録曲の紹介記事も掲載中。

アルバムを聴くときのお供にいかがでしょうか？