変化球の応援ソング
LACCO TOWERが発表した、2018年の新曲第一弾は『雨後晴(あめのちはれ)』です。
2月からは、オフィシャルサポートファミリーを務めているザスパクサツ群馬公式応援ソングになっています。
しばらくはストリーミング配信や、ザスパクサツ群馬のホーム戦での限定販売のみとなっていました。
入手困難なレア音源だったので、ファンでも聴ける機会は限られていました。
ですが、ついに8月8日から配信リリースが開始しました!
ようやく音源を手元に迎えた方も多いのではないでしょうか?
なんと言っても、彼らの地元・群馬をホームとするサッカーチームの応援ソング。
ファンのみならずサポーターたちからも厚く支持されている一曲です。
LACCO TOWERらしいアプローチで生まれた、辛いときこそ聴きたい応援ソングです。
そんな『雨後晴』の歌詞を詳しく解説します!
雨上がりのMV

雨上がり、ようやく日が差し込み始めた屋外で撮影されたMVです。
「オー!オー!」という掛け声が、スタジアムの熱狂を彷彿とさせますね。
実は2018年現在、ザスパクサツ群馬はJ3降格という苦境に立たされています。
まさに状況は、負け越しの涙雨といったところでしょうか……。
でも雨が上がれば必ず晴れ間が広がります。
この曲を聴いて、選手もサポーターもますます士気が高まるのではないでしょうか?
ちょっぴりダーク?
LACCO TOWERの魅力は、ダークさが見え隠れするひねった歌詞にあります。
この『雨後晴』でもその特徴が、いかんなく発揮されています。
応援歌にダークっぽさは、あまり似合わない気がしますよね。
しかし歌詞の中身と、ザスパクサツ群馬との関係を見れば、より深みのある曲に感じられるはずです。
うずくまって動けなくなっている人を立ち上がらせるような、魂のこもった歌詞をご覧ください!
歌詞紹介
夢で見てた絶景を塗りつぶす空模様が
声に出せぬ感情をぽつぽつと降らした
出典: 雨後晴/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER
前述の通り、ザスパクサツ群馬はチームとして正念場を迎えている最中です。
選手はもちろん、サポーターにとってもJ3降格は悔しい出来事だったでしょう。
群馬県内にある唯一のJリーグチームですから、落胆の程は筆舌しがたいものがあります。
応援歌らしからぬシリアスな歌詞を冒頭に持ってきたのは、そんな事情があったからかもしれません。
「絶景を塗りつぶす」という部分から、暗雲立ち込めるチームの様子を描写しています。
夕立前の積乱雲のような、状況が急転する気配が感じられますね。
夢で見た絶景とは?
夢で見た絶景……説明するまでもありません。チームのJ1昇格でしょう。
2017年は、悲願のJ1ライセンスが交付された年でもありました。
このライセンスはJ1昇格に不可欠なものです。
J1昇格はチームにとっても一大目標でした。
ですが昨シーズンはチームにとって辛い戦いが続いていました。
J2残留の願いもむなしく、J3降格という厳しい結果に。
そんな背水の陣ともいえるチームの状況を、ズバリ表現したワンフレーズではないでしょうか。
ただ駆け抜けてた必死でいた
涙の雨のアーチを
くぐろう今鈍色の終わりさ
出典: 雨後晴/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER
明るいトーンになった曲調が印象的ですね。
いつまでも下を向いていては仕方ありません。
また勝ちにいくため、チームは走り続けるしかないのです。
鈍色に見えるような現状を打破する、そんな明るいビジョンが見えてくるようなフレーズです。
ただ一方的に励ますだけではないところが、LACCO TOWERらしいです。
いま最もチームに響く言葉、力に変わるサウンドがここにある気がします。
最大級のエールを
ほら目を奪われてた涙を捨て
胸の遥か遠く置いてきた振りして
ざあざあ素晴らしい明日を呼ぶ為
降れ降れ降り止んでおくれ
濡れた頬のまま笑おう
出典: 雨後晴/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER
文字で見ると「降れ降れ降り止んでおくれ」の部分に違和感を覚えませんか?
降れと言いながら降り止んで欲しいなんて、矛盾しているように感じます。
しかし音源で聴けばお気付きでしょう。
エールの掛け声(フレ、フレ)に聞こえてきませんか?
この雨はもう、涙の雨ではありません。
勝利の呼び水になるような、明るい兆しを感じさせる雨です。
涙を拭う暇すら惜しいほど、走り出したくてたまらない気持ちになります。