ああ このまま 心のままに
真珠のピアスが 落ちればピリオド
夜の銀座 秘密のふたり

出典: 麗しのボサノヴァ/作詞:田久保真見 作曲:五木ひろし

彼女のつけているアクセサリーが落ちる時。

丸い形の宝石を、文章の終わりつける終止符に例えています。

二人の関係が一気に加速し、夜の街に沈んでいきます。

このことは誰にも明かせません、いや明かす必要はないのではないでしょうか。

そして主人公は自分の人生に一つの秘密を創り出しました。

とても甘美な時間が彼のもとに流れ込んできたのです。

この幸福感は経験した人しか知り得ないのかもしれません。

全てを脱ぎ捨てて、自分を捨てて夜の世界へ身を投入する冒険は魅力的です。 

一番美しいもの

朝よこないで

ああ 夢だと 思えばいい
夜明けまでの 麗しき夢よ

出典: 麗しのボサノヴァ/作詞:田久保真見 作曲:五木ひろし

主人公は最も美しいものに出会ってしまったのかもしれません。

美くしいものがだとは限らないのだと思うのです。

それは主人公も承知で、彼は彼女に迫っていきました。

ふらふらと吸い寄せられるように。

それくらい美しいものの力とは強いものなのでしょう。

これは夢でも悪夢なのだろうか。

主人公は迷いながらも、衝動を抑えられません。

まるで魔法をかけられたようですね。

こうなってしまったら、たとえ彼女の本当の姿が毒蜘蛛だったとしても逃げられません。

危うい状況にハラハラします。

リオへ羽ばたく

ああ このまま 心のままに
吐息のリズムで 素肌のボサノヴァ

出典: 麗しのボサノヴァ/作詞:田久保真見 作曲:五木ひろし

ボサノバは朝の静けさによくあいます。

激しい夜を過ごしたあとの、の後の静けさを感じさせるものもあるでしょう。

しかしリズムだけは、とても破裂して音楽の底辺を支えています。

人の鼓動と一体となり、リズムで人々を飛ばしていく。

そんな魅力があると思うのです。

主人公に眠る秘かな欲望は、このボサノバヴァのリズムによって開花したのではないでしょうか。

リオのビーチで歩いている開放的な人々のように、主人公の心までも開いていきます。

この時間だけは、欲望のまま、本能のまま生きてよいのです。

迷い込んでいく

夜の銀座 危険なふたり
夜の銀座 危険なふたり

出典: 麗しのボサノヴァ/作詞:田久保真見 作曲:五木ひろし

こうして、の街に埋れていく主人公。

それぞれの欲望が渦巻く、夜の都会の街。

ひとときの安らぎを求めて、さまよう主人公の姿が見えるようです。

おわりに

この二人の一夜の恋は一体どうなるのでしょうか。

不幸なのか幸福なのかは、夜が明けてみないとわかりません。

朝の光が全てを教えてくれるかもしれません。

しかし、主人公の今この瞬間は幸せであることは間違いないでしょう。

悪い女性というのは、快楽開放をもたらすつきない魅力に溢れているのではないでしょうか。

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