「何回も季節が巡り」といっていますね。
つまり「あなた」が故郷に帰ってくる日は、きっとかなり先なのでしょう。
しかし、気の遠くなるような時間さえも、主人公は受け入れようとしています。
どんなに長い間会えなくても、自分の気持ちは絶対に変わらない。
そんな強い想いを主人公は抱いているようです。
きっと「あなた」のことが大好きで仕方ないのでしょう。
「あなた」の幸せを優先しようと決めた主人公
都会しかそんな夢が叶わないなら
この寂しさを理由にして引き留めちゃ後悔する
出典: ハートのペンキ/作詞:風戸ヒカリ 作曲:太田貴之
「あなた」が都会に行ってしまうことを寂しく感じている主人公。
しかし「あなた」には夢があり、その夢を叶えるためにはどうしても都会に行く必要がある。
それを知った主人公は、寂しい気持ちをグっと堪えて送り出すことに決めました。
なぜなら、ここで自分がわがままを言って引き留めたら、後で後悔すると思ったからです。
主人公は自分の幸せよりも「あなた」の幸せを心から願っています。
だから、このような辛い運命さえも受け入れたのでしょう。
本当は泣きたかったけど堪えた
うるうるの瞳の縁(ふち) 溢(あふ)れないように
頑張って微笑もうとした
出典: ハートのペンキ/作詞:風戸ヒカリ 作曲:太田貴之
とはいえ、やっぱり「あなた」と離れ離れになる瞬間は、寂しい気持ちが込み上げたようです。
それでも、主人公は「あなた」の前で泣かないよう必死で堪えました。
「あなた」の前で泣いてしまったら心配をかけてしまうから、最後まで笑顔で見送ったのです。
離れ離れになる最後の最後まで「あなた」の立場に立って行動した主人公。
本当に心優しい人物なのでしょうね。
本当は「あなた」のことを恋しく思うけど…
プラタナスの木漏れ日 風に揺れながら
地面のあなたの影を消した
出典: ハートのペンキ/作詞:風戸ヒカリ 作曲:太田貴之
プラタナスとは、別名すずかけの木ともよばれている木の一種です。
公園に生えていることも多く、街中で見かけることができる木ともいえるでしょう。
故郷のプラタナスや風を感じながら「あなた」を恋しく想う気持ちを消す主人公。
「あなた」のことを恋しく思ったところで、すぐに戻ってきてくれるわけではありません。
だから悩むだけ無駄だと思って、ネガティブなことを考えないようにしているのです。
「あなた」との約束
(※1)忘れないで(絶対に)
この約束(会える日まで)
どこにいても同じ空を見上げて 頷いて
悲しいこと(つらいこと)
きっとあるわ(お互いに)
そんな時 待っている人のことを思い出して
出典: ハートのペンキ/作詞:風戸ヒカリ 作曲:太田貴之
ここでは「あなた」との約束について歌われています。
こんなに辛い状況の中で健気に待っていられるのは「あなた」と約束をしたから。
いつか必ず会おうと。
だから、お互いに辛くなった時はその約束を思い出すようにしているのです。
離れ離れになっても恋心は消えない
(※2)一人きり ベンチに座り
温もり探すでしょう
この胸はまだドキドキしてる
色褪せない恋 塗りたて注意
出典: ハートのペンキ/作詞:風戸ヒカリ 作曲:太田貴之
「あなた」が都会に行ってしまった後も、胸のときめきが消えない主人公。
例え会えなかったとしても、恋心が薄れることは決してないのです。
まるで塗り立てのペンキのように、いつも真新しくて乾ききることがありません。