(※)悲劇のヒーロー
嘘つきのシナリオライアー
デタラメなストーリー
出典: シナリオライアー/作詞:森心言 作曲:森心言
幻太郎は、傍から見たら不幸せな人生を送ってきたのかもしれません。
赤ん坊の頃に捨てられ、貧しい暮らしを強いられてきたのですから。
「悲劇のヒーロー」といいたくなる気持ちもよくわかります。
しかし、厳しい生活の中で"人の愛"に触れながら成長できたのは、不幸中の幸いだったといえるでしょう。
2番~ラストの歌詞
学校に通い始めたけど…
やがて学生にでもなれば 働くには十分で
朝から晩 汗を流し生活を支えた
それでも学校へ行けとお爺さんは
飽くことなく小生を言い励ました
学校生活は孤独との戦いさ
貰い子への風あたりは強く容赦無い
小生はいつしか 心を閉ざすように
誰とも話さず 闇の中の日々を過ごした
出典: シナリオライアー/作詞:森心言 作曲:森心言
さらに長年の月日が経ち、幻太郎は働けるほどの年齢になりました。
なので、恐らく高校時代の話がここでは描かれているのだと思われます。
家計を支えるために学校には通わず、働きに出ることを選んだ幻太郎。
しかし、お爺さんは家計のことよりも、幻太郎の将来のことを心配して、学校に行くように説得しました。
お爺さんの勧めもあり学校に通うようになった幻太郎でしたが、そこでも悲しい出来事が彼を待ち受けていたのです。
幻太郎が捨て子だという噂が学内で広まってしまい、そのせいで孤立してしまった彼。
クラスのみんなの冷たい態度に絶望し、辛い学生生活を送っていました。
幻太郎がちょっぴり影のある性格をしているのは、この時の経験が関係しているのかもしれませんね。
ふたつめの噓
そんなある日 思いがけぬ光を見たんだ
独りに慣れた あの教室の片隅で
とある青年が小生に話しかけてきたのだ
彼はただ一言 「友達になろう」 と
こんな嫌われ者に何の用があるのか?
こんな捻くれ者に何の得があるのか?
「友達なんていらない」
それは小生が二度目についた嘘だった
(※くりかえし)
出典: シナリオライアー/作詞:森心言 作曲:森心言
しかし、孤独な彼に手を差し伸べてくれた青年がたった一人だけいました。
青年の心の中に偏見などはなく、純粋に幻太郎と友達になりたくて声をかけたのです。
声をかけてくれたことが本当に嬉しくて友達になりたい!と思った幻太郎。
でも、今まで歩んできた辛い人生を思い出してしまい、再び心を閉ざしてしまいます。
「友達なんていらない」なんて思っていないのに、ひねくれた考えのせいでこのような噓を口走ってしまったのです。
病気で倒れた青年
青年が病に倒れたのは それから数日後
理不尽にもよく晴れた夏の日だった
駆けつけた頃には青年も目を覚まして
小生の訪れに驚き 嬉しそうに笑った
出典: シナリオライアー/作詞:森心言 作曲:森心言
青年に「友達になろう」と声をかけられてから、数日後。
なんと、学校において唯一の味方である青年が病気で倒れてしまいました。
青年に声をかけられて一度は断ったものの、青年の言葉を忘れることがずっとできなかったのでしょう。
幻太郎の心の中で、青年は"友達"になっていたのです。
だから病気で倒れたと聞いて、慌てて駆けつけたのだと思います。
毎日お見舞いに行った幻太郎
長い闘病になるらしい
それでも小生は あの日くれた光のお返しだと
翌る日も 翌る日も
ただ一人だけの掛け替えのない
友の傍らに寄り添った
出典: シナリオライアー/作詞:森心言 作曲:森心言
すぐに退院できない病気だと知った幻太郎。
数日前、青年の「友達になろう」という一言によって、幻太郎の心は救われました。
だから、今度は自分がお返しをする番だと思ったようです。
きっと、学校生活もあったと思います。
貧しい家を支えるために、学外の時間で仕事もしていたかもしれません。
しかし、どんなに忙しくても、幻太郎は青年のお見舞いに毎日行っていたのです。
幻太郎にとって青年は非常に大事な存在だったから、こんなにも寄り添っていたのでしょう。