錆びた剣ならあるのさ ずいぶん前に携えた
オギャーって生まれた時には もっと光っていたっけな

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

そんな状況を戦う武器といえば、現代社会に置き換えるなら「才能」や「情熱」でしょうか、「可能性」と言い換えてもいいかもしれません。

生まれた瞬間は、誰しも光っている持ちものですよね。

脱落したかつての仲間たち

勇者候補の皆様は ずいぶん前に消え去った 
世界はモンスターだらけ ひとりぼっちで 戦りあっている

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

この曲はsumikaにとって自身のバンド人生を表現している1だそう。

となると「勇者候補」とは、かつてのバンドメンバーや一緒に音楽を目指した仲間たちのことでしょうか。

倒すべきモンスターは、ライバルであるアーティストの卵たちや大人の事情、周りからの反対もあるかもしれません。

そんな強敵たちにもめげずに、今ここでまだまだ音楽やってんだぞ!と叫ぶようなリリックです。

かつての仲間たちが聞いたら悔しがるフレーズ、ここまで頑張ってきた彼らにしか歌えない歌詞です。

逃げる事も多くなって 鞘の中いつの間にか 錆び付いていたりして

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

 でも、もちろんそんな状況で、逃げ出したくなる時もありました。

しかし剣は使わなければ錆びるもの。

才能や夢は、抜いて、戦って、立ち向かってこそ輝きだすものなのです。

誰にでもある、会心の一撃

毒喰らってしまっても 堪えて 光差す方 手の鳴る方へ
矢が刺さって 倒れてもいつかは会心の一撃見舞う

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

“会心の一撃”。

自分の実力以上の攻撃力を発揮するその一撃は、戦いを重ねることで生み出されます。

そしてそれが発揮される瞬間はふとした時、予期せぬ時なのです。

ヘイヘイ 倒せよモンスター ふっかつのじゅもんを 唱えるよ
それでアイヤイヤイヤイ 猿になって 錆びた剣 振り回していくんだ

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

“ふっかつのじゅもん”は、戦闘不能になった味方をよみがえらせることのできる、夢のようなもの。

そんな呪文を唱えるように、何度倒されても夢に挑戦してきたという自負を現しています。

そのくらい、何度も死んじゃいそうな瞬間があったということでしょう。

ヘイヘイ 倒せよモンスター ふっかつのじゅもんを唱えるよ
それでアイヤイヤイヤイ 猿になって 会心の一撃見舞う

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

「猿になって」とは、ドラクエのモンスター“あばれザル”や“キラーエイプ”のことかもしれません。強いよね。

もしくは、動物のようにいろいろな恥や外聞を捨てさり、必死になって会心の一撃を繰り出してやるぞ!という決意を表しているのでしょうか。

猿と罵られても、必死に食らいつくその姿勢は、眩しくかっこいいものです。

ダウン ロー スリーピーと重なり 瞼もついに落ち切った
ダウン 綺麗な花に見とれ 無惨に綺麗に騙された

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

様々なステータス異常で、いまにも倒れて眠ってしまいそうな状況。

美しい女性に魅了され、騙されてしまった過去。

起きた時にはお金や 身ぐるみ全部なくなって
ゴミとみなされた 剣だけが 横たわっているよ

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太

目覚めた時には、何もかも失っていたけれど、大切な、相手にとってはごみだったかもしれないけど大切な剣が傍らにありました。

それは、まだ「戦え」と誰かに背中を押されているようです。

睡眠強盗にでもあったのかな…?余談です。

かけがえのない仲間に出会うために

勇者だけではない 世界の中で 未だ仲間には 出会えずにいるけど

出典: ふっかつのじゅもん/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太