ONE OK ROCKの名曲『Break My Strings』をピックアップ!

ONE OK ROCK【Break My Strings】歌詞を和訳&解説!挫折した時に聴きたい名曲の画像

日本語と英語がシームレスに連なる歌詞が魅力のONE OK ROCK

今回は強いメッセージ性を持った一曲『Break My Strings』歌詞和訳しながら解説します。

変えたいけれど変えたくない

今を変えたい!と思っても即座に一歩を踏み出せる人は多くありません。

変えるより、変わるまま流されている方がラクだと思ってしまうのが正直なところ。

変わりたい自分、流されてもいい自分の葛藤が始まります。

心が弱っている

僕の手足から延びた曲線
今日もいつの間にか遊離して
ふりきる余力さえ もう僕の中にゃ
みじんもなくて

出典: Break My Strings/作詞:Taka 作曲:Alex,Taka

この歌詞はまさにタイトルにある「strings」について歌っているのだと推測できます。

stringは紐や弦などを意味する単語です。太いロープとは異なり、比較的自由に曲がるぐらいの細さのものを指します。

彼は紐に繋がれているのですが、その紐を引っ張る力に抗うことはできないようです。

自分の意志で状況を打破するような精神力が残っていないのでしょう。

紐の反対側を引っ張る外部の力に敵わないのでしょうか?実は違います。

「曲線」と歌っていますから、紐は弛んでいるのだと考えられます。

つまり、強い力で引っ張られているわけではないのです。

それなのに断ち切れず、為す術がありません。

どうしたら止められる?

のばした左手 どこまで行くの?
右手はただふるえているのに…。

出典: Break My Strings/作詞:Taka 作曲:Alex,Taka

「左」から連想できるものといえば、心臓や心ではないでしょうか。

強くあろうとする心が左側に存在するはずなのに、何らかの理由で心は折れてしまったのでしょう。

まるで誰かに心を操られているようなイメージが伝わってきます。

両手で引っ張れば何とか踏みとどまれるのかもしれません。

しかし「ふるえている」ことから、その勇気もないようです。

決して現状に満足しているわけではないけれど、どうしたら今を変えられるのかが分からない。

そんな葛藤が伝わってくる歌詞ですね。

残りし炎は手の中にある

I break my strings 光る方へ
Tied on my skin so hard, you tell me what to do
You'll never reach out to my soul
I'll burn your skin so hard, Desire in my hand

出典: Break My Strings/作詞:Taka 作曲:Alex,Taka

和訳

紐を断ち切って(明るい場所へ)

僕の肌にきつく縛り付けて、僕が何をするべきなのか君は教える

でも決して僕の魂には届かないよ

君の肌を激しく燃やしてやるさ、願いは僕の手の中にある

【考察】

「紐」と和訳していますが、もう少し精神的なものを指しているのかもしれません。

例えば「しがらみ」「束縛」のようなものです。

自分の自由を奪っている呪縛から解き放たれたいのだと願っています。

この曲のもう一人の登場人物「君」こそが、紐の先にいる人物です。

おそらくその人物は、彼を良い方向に導いているつもりでいるのでしょう。

もしくは、彼が意図しない方に向かって意図して=悪意を持って導いているという可能性もあります。

あたかも自分が彼にとっての親、師、神であるかのような言動を見せているのです。

「君」の言葉は彼の心を目指し、二人をつなぐ紐を通って動いています。

何もしなければ彼の心に言葉が届き、そこでまた彼の葛藤が始まるのでしょう。

しかし届きません。届かない、と彼が断言しています。ではどうやって言葉を拒否するのか。

彼は紐を通じて炎を渡し、相手の手元に届かせて焼き尽くしてやるのだと歌っています。

つまり紐を引き千切るだけでは事足りず、根本から断ち切ってやるのだと言っているのです。

焼き尽くす火種はどこにあるかというと、彼自身が持っています。

今を変えたいという願望、従いたくないという反抗、自分であろうとする希望こそが火種なのです。

きっと変われる!

変わるために、行動を起こそうとします。

しかしそこにも迷いの影が……。