行き場のない感情
惜しみなく注いだ愛 賛同
毎晩の悲しみのツケを
どうか俺に払わせてくれ
夜明けの時間が来たんだ
もう踏んでられない地団駄
止まった時を進めようか
lt's show time 生涯 続けようか

出典: Hill Climb/作詞:TOC 作曲:TOC

苦しい現実に直面したとき、お酒を注ぎながらただときを過ごしていたのかもしれません。

「ツケ」というのは、今まで過ごした悶々とした毎日に対するものでしょうか。

はたまたメンバーの不祥事に対する「ツケ」でしょうか。

どちらにしても、

反省すべきことは全てここで返すから。

過ぎたことは全て心にしまい、前を向いて進みたい。

という気持ちが伝わってくるようです。

人生の夜明けを迎え、再開という形で第二の音楽人生を歩み始めるヒルクライム。

もう過去のことについてつべこべ語っている暇などありません。

「生涯ヒルクライム」。

それこそがこの曲で最も伝えたいメッセージなのではないでしょうか。

まだまだ旅路の途中

Hilcrhyme hilly to hilly to the
Hilcrhyme and you don't stop
終わらない 止まらない 音が鳴る
この声が枯れるまで
Hilcrhyme hilly to the
Hilcrhyme and don't stop
終わらない 止まらない 音が鳴る
この声が枯れるまで

出典: Hill Climb/作詞:TOC 作曲:TOC

サビであるこの部分を聴いているととても落ち着いた気分になれるのはどうしてなのでしょうか?

新しい曲なのになんだか前から聴きなれた曲のようで、心が温かくなります。

落ち着いたリズムと強い意思、そしてTOCの大人っぽい歌声が心の奥に染みわたるからかもしれません。

いい意味でヒップホップの鋭さが抑えられた見事な仕上がりです。

ヒルクライムが止まらずに前に進み続けることを描いた歌詞

「ヒルクライム」という存在がすでにあって、勝手に音を鳴らしているようにも感じます。

そう、ヒルクライムはまだ丘を登っている最中。

頂上を目指し、まだまだ登り続けるのです。

聴いてほしい君って?

ヒルクライムのあり方

慣れない手 叩く鍵盤を
懐かしむ 古い円盤も
全て糧にして積み上げる音
決して鳴らさない10カウント

出典: Hill Climb/作詞:TOC 作曲:TOC

音楽を奏でるにはどのような作業が必要だと思いますか?

ヒルクライムはごく簡単に音を奏でているように見えます。

しかしここまでくるには相当な苦労があったことでしょう。

簡単に見える音楽でも、はじめは手探り状態のはず。

はじめて鍵盤をたたいた瞬間、古い円盤で曲を聴いた瞬間。

そんなひとつひとつの思い出が走馬灯のようによみがえっているのでしょう。

しかしヒルクライムは10カウントは絶対に鳴らさないと宣言します。

ここでいう10カウントとはボクシングの10カウントのことでしょうか。

10カウントする前に、必ず立ち上がってファイティングポーズをとる。

それがヒルクライムなのかもしれません。

驚かせたい相手がいる

着信もLINEもスルー
悪いと思いながら韻を踏む
ちょっと待っててくれ
このツケは必ず返すから
言わせたいんだ「スゲーじゃん」

出典: Hill Climb/作詞:TOC 作曲:TOC

ここでもTOCが「ツケ」を返さなきゃと感じるシーンが登場します。

電話やLINEがきたのを知っていながらスルーしてしまうことはよくあること。

でも普通の人とは違い、TOCはスルーしている間に韻を踏んでいるのです。

「韻を踏む」=「音楽を作る」という意味。

今は曲を作ってるから、無視しても勘弁!というわけです。

TOCが電話もラインもスルーしてしまうのは、ただ凄い曲を作ってあっと驚かせたいから

そのためにはどんな時間さえも惜しく感じるのです。

では、誰に「すげー」と言わせたいのでしょうか?

ファンに向けた究極のラブソング!?

俺には待ってる人がいるから
今日も歌ってる 去っていく事にゃ
もう慣れたが失ったってわけじゃないな器用なラップ 不器用なトラックを
聴いたことないようなラブソング
1ページ目に刻もうか
ほらどうか 君に聴いてほしいんだ

出典: Hill Climb/作詞:TOC 作曲:TOC

凄いと言わせたいのは、待っていてくれる人のようです。

ヒルクライムがヒルクライムという名で再開できたのは、ファンのおかげ。

ヒルクライムを諦めようかと考えていたときに思い浮かんだのはファンの顔だったに違いありません。

だからもう去っていくわけにはいきません。

ファンを大切にするTOCの気持ちが伝わってきます。

新たなヒルクライムの物語の1ページ目に刻む曲。

それは上手にできた楽曲でなくても構わないことを、TOCはよく分かっているようです。

これまで培ってきたラップのスキルを活かした聴いたこともないような曲。

それをファンは望んでいるのです。

「Hill Climb」は一般的にはラブソングとは言えない曲です。

恋愛感情を歌った曲でもなく、ゆったりとしたバラードの曲調でもありません。

でも、ヒルクライムの良さを詰め込んだラップで落ち着きのある前向きな応援ソング

これこそがTOCからファンに向けた究極のラブソングなのかもしれません。

それをファンの皆さんに聴いてほしくてTOCは丘を登り続けるのです。

まとめ