indigo la Endが奏でる愛と命の歌を徹底解剖!
耳に触れたときに、まるでそよ風のようにさらりとしている。
耳で聴いたとき、まるで絡まった毛糸のように難解。
胸に届いたとき、まるで心臓が破裂しそうなほど苦しくなる。
indigo la Endが作る音や歌詞は、リスナーを受け入れながら裏切るような不思議な魅力があります。
今回ご紹介する「鐘泣く命」もリスナーの心を掴んで離さない一曲です。
「Crying End Roll」に収録
MVはタイアップドラマと連動
「鐘泣く命」はドラマのオープニング曲として使われました。
フジテレビの動画サービスで配信された「ぼくは麻里のなか」です。
そしてこの曲のMVはドラマのキャストとindigo la Endがドラマ内容をたどる形で作られています。
さて、このMVをご覧になってドラマの内容がわかりますでしょうか?
ぼくと麻里の中身が入れ替わってしまう、というごくありふれた設定のドラマ。
と思いきや、麻里の中にはぼくがいるのに、ぼくは「ぼく」として存在している。
つまり、麻里の存在が消えてしまった! というような内容になっています。
「鐘泣く命」に込められた意味とは
今回はMVという「視覚」には頼らず、川谷絵音がつづった歌詞だけにスポットを当てます。
文字に、単語に、文章のなかに垣間見られるこの曲の意味やストーリーを紐解いていきましょう。
「鐘泣く命」1-Aパート
羽が生えたままじゃ
いつもの帰り道
つまらないルートでしか辿れない
出典: 鐘泣く命/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
いつもとは違う斬新な道をたどりたければ、羽なんてないほうがいい。
冒頭の歌詞の裏表を返すと、こうなりますね。
ここでいう「道」とは道路のことではないと考えられます。
羽をはばたかせて空へ帰っていく道筋のことなのでしょう。
帰る先は空で「いつもの」という表現から、空と地上を繰り返し行き来していると考えられます。
一度受けた愛が
残ってるんだから
少しずつ空に昇ってゆけ
出典: 鐘泣く命/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
愛があると、空にのぼる速度が落ちるのでしょうか。
まるで愛に重さがあるかのような表現ですね。
また、愛を受け取るのではなく「受ける」とされています。
試しに愛を「傷」という言葉と入れ替えてみましょう。
「一度受けた傷が残ってるんだから」
この歌詞で「愛」は必ずしもプラスの意味ではないのかもしれません。
「鐘泣く命」1-Bパート
曲の語り手の語気が強すぎると思いませんか?
そんなところに着目してみましょう。