Bパートも1番とは異なるメロディラインで始まりますが、サビの直前に1番のラインをなぞります。
「君」という存在、そして2番の歌詞の語り手、疑問が尽きません。
やり残したことを教えてよ
全部やってから会いに行くよ
聞こえてるよね
出典: 鐘泣く命/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
「君」はどこにいるのでしょうか。どこに会いに行くのでしょうか。
今の君は、自分の不始末を片付けられない立ち位置にいます。
単純な発想ですが、もうこの世にはいない人だという可能性があります。
もしくは、不始末を起こした場所には戻れない人なのかもしれません。
例えば、その場所に戻ると気まずい気分になってしまう誰かがいる、とか。
自分がそこに戻ると、周りに迷惑をかけてしまう、とか。
1番と2番は異なるストーリー?
君の望みはすべて叶えてから会いに行く、君のためならなんでもやるよ。聞こえてる?
ずいぶん献身的で控えめな態度が感じられる歌詞だと思いませんか?
1番の歌詞と比べると、別人のようですよね。
とにかく行け、と強気だった1番と、けなげすぎる2番。
もしかすると、1番と2番は別人なのかもしれません。
「鐘泣く命」2-サビパート
あの鐘を鳴らしてよ
この愛の音聞かしてやれ
あの鐘を鳴らしたら
胸の明かりが輝く
出典: 鐘泣く命/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
1番と全く同じ歌詞ですが、語り手が異なるのであれば歌詞の意味も違ってきますよね。
「君」に声が届いているか分からず、Bメロの最後では聞こえているかどうか確認をしていました。
聞こえているのなら鐘の音で返事をしてほしい。
鳴らしてくれたら(語り手の)心の中に光が宿る、君という存在を確かなものとして信じられる。
1番では胸に明かりが「輝くはず」だと歌っていましたが、2番では「輝く」と言い切っています。
君は必要な存在であり、君にとって必要な存在になりたい、というようなしつこさを感じませんか?
2番の語り手にとって「君」の存在は生きる喜びであり、「君」に対する依存性が見えました。
「鐘泣く命」Cパート
持ちうる想像力をフル稼働させて考えたいのがこのCパートです。
どんなイメージが浮かびますか?
蒼き花束を抱えた
君が夢を泳いだ
抱き締めようとした瞬間
溺れてしまった
出典: 鐘泣く命/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
「青」と「蒼」の違いはご存知でしょうか?
「青」は一般的に使われる漢字で緑色に近い青までも含めており、「蒼」は深い青のみを表しています。
さらに「蒼」という漢字は古さや儚さを含んだ青を表現する場合に用いられています。
「蒼き花束」という表記は、ドライフラワーとまではいきませんが、フレッシュさは感じられません。
蒼い花を持っているというだけで「君」の顔が青白いような気がするのは私だけでしょうか。
考えすぎぐらいがちょうどいいかもしれないindigo la Endの曲
「君」と言っていることから、夢の中に浮かぶ君に触れようとしたのは2番の語り手です。
「溺れてしまった」のは、いったい誰でしょう。
- 語り手
- 君
2通りが考えられますね。
素直に読み取れば、溺れたのは語り手だと考えます。
しかし、蒼白の顔をした「君」が腕をすり抜けるように夢の底に沈みこみ、溺れたのかもしれません。
抱きしめる腕から逃れようとした結果溺れてしまった、というのは考えすぎでしょうか。
つまり「君」は語り手を避けている、語り手はそれに気づいていない、ということです。
「鐘泣く命」ラストサビパート
ラストのサビの大部分は、1番の語り手のものであると考えています。
歌詞の意味は1番のサビと同様です。
向かっていけ、進んでいけ、気づかせてやれ。
そんな強気なラストのサビ。しかしこれだけでは終わりません。