LOTUS/DIR EN GREY

24枚目のシングル曲

DIR EN GREY【LOTUS】歌詞解説!美しい詩…泥に咲く蓮のように傷ついても気高く生きよう!の画像

DIR EN GREYの「LOTUS」をご紹介します。

この曲は、DIR EN GREYにとって24枚目のシングル曲です。

時にヘヴィなサウンドと、間を生かした煌びやかなサウンドが融合し、起伏に富んだ音像を作り出しています。

この楽曲以降、5弦ベース+7弦ギターを主軸に演奏するようになりました。

常に進化を続けるDIR EN GREY、その一つの通過点を象徴する楽曲と考えられるかもしれませんね。

なお、初回限定版にはDVDが付属し、2010年のライブ映像が収録されています。

アルバム「DUM SPIRO SPERO」にも収録

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「LOTUS」は8作目のアルバム「DUM SPIRO SPERO」にも収録されました。

この他にシングル曲では「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」「DIFFERENT SENSE」も収録されています。

このアルバムには、通常の初回限定版ではなく完全限定生産版とされました。

内容は、2枚のCDと、1枚のDVDそして2枚のLPです。

付属するCDは、再録曲、リミックスやデモ、などの既存曲の別バージョン集となっています。

DVDに収録されているのは、インタビューやライブ映像、PVなどです。

LPの収録曲は通常盤と同じですが、小鐵徹がマスタリングを担当しています。

小鐵徹は、稀有の名マスタリング・エンジニアです。

LP盤ならではの音が楽しめそうですね。

DIR EN GREYの美しい詩…

「LOTUS」歌詞解説の前に、DIR EN GREYの歌詞について触れておきます。

作詞はボーカルの京。

これはDIR EN GREYにおいて唯一の例外もなく変わっていません。

作詞という表現を用いずに、作詩又は詩としているのも特徴です。

人間が持つ痛みや愚かさを生々しく描いた世界観は聞くものを常に圧倒してきました。

時に、人間の持つ醜さの極地を描いているのに美しい。

そんな歌詞だと思います。

「LOTUS」からもその一端を垣間見て頂けたら幸いです。 

歌詞解説!

心の底を覗いてみる

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瞳を閉じる
此処は蒼い 朱鷲が鳴く 心の底
嵐が連れ去った 明日を感じたいから

出典: LOTUS/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

目を瞑り(つむる又はつぶる)、心の奥を覗いています。

瞑想しているのでしょうか。

その最も深い底の方には、青い世界が広がっています。

朱鷺(トキ又はシュロ)が鳴いているのです。

日本人にとっては、トキは特別な鳥。

しかも絶滅してしまった。

青い世界は、死の淵のことを暗示しているようです。

引用の「が連れ去った〜」とは、なくなってしまった未来を感じたいからということです。 

剥がれ朽ちる絵と
記憶からまだ涙を消せない
この闇の音も
きっとそれはもう癒えない
何処かで知りながら

出典: LOTUS/作詞:京 作曲:DIR EN GREY

文節の区切り方に疑問があるかもしれません。

引用「剥がれ朽ちる〜」は、サビに入る前のフレーズです。

一方、「記憶から〜」からがサビとなります。

歌詞の意味を考える時には、この繋がりの方が自然と考えてあえてこのようにしました。

古い絵画、おそらくPVにも登場するような宗教画のことでしょう。

その絵画と記憶から悲しみを取り去ることができないとしています。

闇に音はありません。

目を閉じても耳から聞こえてくるという意味です。

ここでいう悲しみすなわち涙とはどのようなものでしょうか。

太古の昔より繰り返されてきた人間の浅はかで愚かな行為すべてに渡るのではないかと思います。

原罪といってもよいかもしれません。

そして犯されてきた罪自体も消せないのです。

そのことはわかっています。

それを踏まえた上で、失われた未来を感じたい。

だから記憶からその悲しみを消すことができないのではないでしょうか。

そして、独り

記憶からまた涙を落とし
周りを見渡す
きっとそこにはもう誰の
為でもない今が…独り

出典: LOTUS/作詞:京 作曲:DIR EN GREY