坂本真綾の9thシングル「ヘミソフィア」
「ヘミソフィア」は坂本真綾さんの9thシングルで、2002年にリリースされました。
「ヘミソフィア」とは英語で「半球」という意味です。
ゲーム「スーパーロボット大戦MX」でもBGMとして使用されました。
そのため、当時は知らなくとも聞いたことはあるという人もいるでしょう。
かなり前の曲なのでPVなどがないのがもう非常に残念過ぎるのですが、今でも語り継がれる神曲です。
静かな中に燃え上がるような疾走感のある曲と、坂本さんの透き通った歌声が美しく溶け合っています。
なんといっても特徴的なのはサビで、盛り上がるのではなく駆け抜けていくようなテンポの速さは本当に絶妙!
間奏にはバイオリンが使われていてクラシカルに仕上がっています。
歌詞もとても深いのですが、ユニークな曲調も必聴なのですよ!
今回はそんな「ヘミソフィア」の歌詞を見ていきましょう。
アニメ「ラーゼフォン」のオープニング曲
「ヘミソフィア」はアニメ「ラーゼフォン」のOP曲でもあります。
SFロボットもので、「ラーゼフォン」とは主人公が搭乗するロボットの名前。
2015年、全世界は消滅し東京だけが奇跡的に生き残ったとされる世界が舞台です。
主人公の少年・神名綾人が、謎の女性・柴東遥との出会いをきっかけに、戦いに巻き込まれます。
OPを歌う坂本さんも、作中のキーキャラクターの声優として出演されていました。
この「ラーゼフォン」は先述で紹介したゲーム「スーパーロボット大戦MX」でも参戦しています。
自分探しの旅
「ヘミソフィア」の歌詞は、まさに「自分探しの旅」を描いています。
自分は何者なのか。
自分とは何なのか。
こうした果てしない疑問は、若い人だと特に持っている人も多いかもしれません。
「ヘミソフィア」の世界で語られる旅路とは、一体どんなものなのでしょうか。
無力な自分
それでもいったいこの僕に何が出来るって言うんだ
窮屈な箱庭の現実を変えるために何が出来るの
出典: ヘミソフィア/作詞:岩里祐穂 作曲:菅野よう子
出だしから、主人公の本音のような思いが吐露されています。
「箱庭」といっているように、彼の見ている世界はとても狭い場所なのでしょうか。
子供にとっての世界は、全体から見ればかなり狭いかもしれません。
知っているのは自分の家や学校の周りくらい。
それとも彼のいる世界自身が、他の世界から隔離されているような状況なのでしょうか。
大人はいつも「世の中を担い、変えていくのは若者だ」と言います。
しかし、当の若者はいきなりそんなことを言われたって困るでしょう。
そんな覚悟も実力も、まだ持っていないのですから。
人生と共に積み重ねられる「経験」
人生の半分も僕はまだ生きてない
逆らって 抱き合って
無意識に刻まれてゆく経験のタトゥー
出典: ヘミソフィア/作詞:岩里祐穂 作曲:菅野よう子
1行目が、「僕」が若者であることが表現されています。
若いということは、これから様々なことを経験していくことを意味します。
良いことも悪いこともあるでしょう。
相手に逆らうこともあれば、相手と意見を合わせたり喜んだり。
3行目の「タトゥー」とは刺青のことで体に刻み付けるものですが、これを経験に結びつけているのが印象的。
経験はよく「積み重ねる」と表現しますが、「刻まれる」とはいいません。
「人は経験することで大人になっていく」ということでしょうか。
ということは、大人とは「経験」という刺青が刻み込まれた姿なのかもしれませんね。
苦難が切り開く世界
崖っぷちに立たされた時
苦難が僕の腕を掴み
自分自身の在りかが初めて見えたんだ
もっと広いフィールドへもっと深い大きな何処かへ
予測もつかない世界へ向かって行くだけ
出典: ヘミソフィア/作詞:岩里祐穂 作曲:菅野よう子