BiSH『MORE THAN LiKE』
かけられた魔法を本物なんだ まじまじ見てる
粉々の世界を変えていけるだろう
出典: MORE THAN LiKE/作詞:松隈ケンタ,JxSxK 作曲:松隈ケンタ
この楽曲は主人公の「僕」と、僕にとって大切な存在である「君」を中心に展開されていきます。
僕にとって君はいったいどのような存在なのか。
2人の関係性にも迫りつつ、僕が追い求めていたものを探っていきましょう。
魔法って?
でも本当は?
しかしこの歌詞、くるっと視点を変えてみると面白いことに気が付くはずです。
魔法の影響を受けたのは、本当に僕なのでしょうか?
もし冒頭の歌詞の主語が「僕自身」だとしたら?
魔法を「かけることができた」主人公は、自分自身の不思議な力に驚きを隠せないのではないでしょうか。
「魔法」と呼ばれる不思議な力の正体は、ここではまだ明かされていません。
しかし歌詞の2文目にある通り、その力はこの大きな世界にまで影響を及ぼすのです。
さて、そんな世界は歌詞中で「粉々」と表現されていますね。
この言葉が一体何を表しているのでしょうか。
続く歌詞とともに答えを探っていきましょう。
長い旅の中で
取り戻したいものとは
欠片拾い続けて 旅を続けよう欠けることなく
粉々の涙を超えていけるなら
出典: MORE THAN LiKE/作詞:松隈ケンタ,JxSxK 作曲:松隈ケンタ
ここでも再び「粉々」という言葉が登場しています。
この意味を探る前に、1文目の歌詞から確認していきましょう。
旅とはまさに、人生そのものを意味します。
ポジティブでもネガティブでも、全ての気持ちを大切にしよう。
だからこそ1文目にある通り、僕は失われた欠片を拾い続けるのです。
生きていればたくさんのことがあります。
嬉しいこと、楽しいこともあれば、悲しいこと、苦しいこともある。
そんな人生を豊かにしてくれるのが、この楽曲でいう「欠片」なのです。
「粉々」の答え
さて、ここでとうとう「粉々」の意味に迫ります。
主人公の僕は、欠片=人間が持つ感情を1つ1つ集めていました。
感情が物事に潤いを与え、生き生きと輝かせて見せるのです。
しかしその感情がなければ、世の中の多くの物事は面白みがない単調なものに見えてしまうでしょう。
そう、まさに潤いをなくし乾燥しきって壊れてしまった状態が「粉々」なのです。
何も感じずに済むことは幸せなように思えるかもしれません。
しかしネガティブな気持ちを味わう必要がない代わりに、ポジティブな感情も味わえないのです。
それって、なんだかとても虚しくありませんか?
主人公の僕はそう考えたからこそ、必死に感情を拾い集めているのでしょう。