どんな曲?

ハヌマーン【ワンナイト・アルカホリック】歌詞の意味を徹底解釈!自分の存在とは?毒と雨の表現にも迫るの画像

本曲は2010年にリリースされたミニアルバムRE DISTORTION」の中に収録された1曲です。

バンドが解散してしばらく経った今もなお、音楽ファンから根強い人気を誇るハヌマーン。

ワンナイト・アルカホリック】は彼らの楽曲の中でも1、2を争うほどの人気曲ですね。

タイトルに使われている「アルカホリック」という言葉には、もしかするとあまり耳馴染みがないかも知れません。

この言葉にはズバリ「アルコール中毒」という意味があります。

他にも、単に何かしらの中毒状態を差す言葉として使われる場合がありますね。

この曲の歌詞を見る限り、ここではアルコール中毒として解釈するのが正しいかと思われます。

【ワンナイト・アルカホリック】とは一体どの様な意味なのか…。

主人公は自分の存在をどのようなものだと考えているのでしょう?

また、雨や毒といった歌詞表現についても触れながら解説していきたいと思います。

現実逃避

ムシャクシャした気持ち

日暮れ路面電車に飛び乗って
現実逃避を計りまして

出典: ワンナイト・アルカホリック/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一

何か嫌な事があったのでしょうか?

主人公は衝動的に電車に乗り込んだようです。

会社であった嫌な出来事や恋人との別れ。

もしくは日頃の小さな鬱憤が蓄積し、耐えられなくなってしまったのかも知れませんね。

特に行く先がある訳でもないけれど、とにかくココじゃない何処かに行きたかったのでしょう。

ストレスに溢れ、日常的にストレスに触れる事を強いられる私たち人間には必ず何かしらの逃げ道が必要です。

主人公は一体どこまで逃げていくのでしょう。

ただボーッと

流れる景色を見る様な
窓にうつる自分を見る様な

出典: ワンナイト・アルカホリック/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一

電車に乗ってボーッと窓の外を流れる景色を見る。

誰もが経験している事だと思います。

景色を楽しんでいたり、何となく手持ち無沙汰で眺めているだけだったり。

人によっては想像の生き物を走らせて遊んでいる人も居るのではないでしょうか。

しかし、それは心が健康であるからこその過ごし方です。

心に余裕がない時は何となく色んな事が怠くなって無気力になってしまうもの。

いわゆる放心状態です。

主人公は正にその様な精神状態にあったのでしょう。

いつものように車内から外の景色を見ているけれど、心此処にあらず。

悲壮な雰囲気を帯び、覇気のない顔を浮かべる自分の顔が窓に反射する。

それが目に入る度に気分が落ちていくのに気が付くのです。

消えて無くなりたい

およそ空っぽの頭の中
やけに響く英語のアナウンス
ビルを超えて山を越えて
あの娘が住む町を越えて

出典: ワンナイト・アルカホリック/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一

気が付かないうちに、かなり長い間電車に揺られていたようです。

人間の時間の感覚とは不思議なもので、何かに集中している時だけは本当に一瞬で時が経つものです。

主人公はこの時、ボーッとする事に集中していたのですね。

集中するというよりも前の章で記述したように、放心状態にあったといった方が正しいのかも知れません。

行き先も何もない主人公には車内アナウンスが何を伝えていても関係ありません。

降りるべき駅すらないのですから。

しかしこの辺りで少し頭もスッキリし始め、物事を考える余裕も生まれて来ているようです。

乗務員による英語の乗り換え案内が気になっていますね。

住み慣れた都会の喧騒を抜け、普段は遠くに輪郭だけしか見えない山々ですらも越えました。

「そういえばあの子はこの街に住んで居たよな」こんな事を考えながら、ずっと遠い場所まで運ばれていく主人公。

少なくとも先程のように何も考えられないような状態からは脱却しているのが分かります。

景色を見、感情に浸る最低限の余裕はあるようですね。

酒の力を借りる

私の気など知らないで

気付けば夜に変わっている
静かに時は流れている
通りの向こう灯る店の
侘しい光に呑まれていく

出典: ワンナイト・アルカホリック/作詞:山田亮一 作曲:山田亮一

主人公はここでようやく電車を降りたようです。

もう夜になっていますね。

冒頭で電車に乗り込んだのが日暮れの事ですから、かなり長い時間電車に乗っていたのが分かります。

見知らぬ駅を何となく降りたのには何か理由があったのでしょうか?

頭がスッキリして来たのと、喧しすぎない街の雰囲気が今の落ちた気分を癒すのに丁度良さそうだと感じたのかも知れませんね。

そして吸い込まれるように何らかのお店に吸い込まれて行きました。