BUMP OF CHICKEN「友達の唄」
2011年発売のシングル
「友達の唄」は、2011年2月に発売されたBUMP OF CHICKENの19枚目のシングルとその表題曲です。
2010年12月にアルバム「COSMONAUT」が発売されたからわずか2か月ほどでの新作リリースとなりました。
オリコン週間チャートでは2位、月間では8位、年間でも60位と好セールスを記録しました。
収録アルバム「RAY」
「友達の唄」は、2014年3月発売のBUMP OF CHICKENの通算7枚目のアルバム「RAY」にも収録されました。
前作から3年以上の期間を開けてリリースされファン待望の新作アルバムとなったこの作品は、オリコン週間アルバムチャートで1位、月間3位、年間12位という大ヒットを記録しました。
「友達の唄」以外にも、「ゼロ」や「虹を待つ人」、「Smile」などのシングル曲が収録されています。
アルバムタイトルにもなっているリード曲「ray」は、初音ミクとコラボしたバージョンも公開されて大きな話題を呼んだ実験的な作品です。
映画「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜」主題歌
「友達の唄」は、映画「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜」の主題歌として書かれた曲です。
2011年の劇場版ドラえもん作品として公開されたこの作品は、1986年の映画「ドラえもん のび太と鉄人兵団」のリメイクとなっています。
異星から地球へ攻めてきた鉄人兵団とドラえもんたちの攻防、鉄人兵団の尖兵の少女リルルとのび太たちの交流など物語の骨格はそのままに、「ピッポ」というマスコット的なオリジナルキャラクターの登場、よりシリアスな雰囲気にアレンジされたストーリーなど新しい要素も多く見られる作品です。
BUMP OF CHICKENのメンバー4人は偶然にもドラえもんの大ファンで、主題歌のオファーを受ける前年のクリスマスパーティーで偶然にも旧「のび太と鉄人兵団」」を鑑賞していたそうです。
歌詞には映画のストーリーが色濃く表れており、地球侵略の尖兵としてのび太たちに接触した冷徹なロボットの少女リルルがのび太との交流を通して感じた想いが綴られています。
ストーリー性のあるMVにも注目
「友達の唄」のMVでは、BUMP OF CHICKENのメンバー4人の日々の音楽活動の姿が描かれます。
作曲者の藤原が家で曲を作り、他のメンバーとスタジオに集まって演奏で合わせる。
そんなどこにでもある何気ないバンドの姿ですが、幼馴染の4人で結成されたメンバーたちの姿はまるで友達同士で集まって楽しく遊んでいるようにも見えます。
タイトルにもある「友達」というワードを強く意識させられるMVです。
歌詞に込められたメッセージを読み解く
「あなた」との小さな思い出
あなたが大きくなるまでに 雨の日なんて何度もある
その中の一度は一緒に濡れた事 忘れちゃうかな
遠回りしちゃったけど 友達になれたのかな
お別れしたって覚えていられれば 大丈夫なのかな
空の冷たかった手が 初めて掴んだ手に
消えていく時間の中 引っ張られて走った 帰り道を探して
出典: 友達の唄/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
歌詞は、今はもう一緒にいない友達を想うような言葉から始まります。
「遠回りしちゃったけど」という表現からは、最初は侵略する側とされる側として出会ったけれど最後に友情が芽生えたリルルとのび太たちとの関係が連想されますね。
たとえ今は一緒にいられなくなってしまっても、思い出をを覚えていられればずっと友達でいられる。そう願いながらおそるおそる確かめるように綴られる言葉が印象的です。
映画を知っている人にはリルルとのび太のストーリーが思い出される一方で、映画を知らない人が聴いても切ない友情のストーリーが想像される歌詞です。
時々でいいから、どうか
今 私が泣いていても あなたの記憶の中では
どうかあなたと 同じ笑顔で 時々でいいから 思い出してね
出典: 友達の唄/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央