ここまで深い愛情が綴られていましたが、さらに感情に畳みかけます。
彼女との思い出には人間味が溢れ、心から愛していたことが分かるでしょう。
もう愛してないってホント?
2人で描いた未来は
小さなあの部屋にしまい込んだ
「今更愛してなんてないさ」
偽りのセリフがこだました
このままスローに刻むストーリー
まるでビールの泡のように
ゆっくり薄れ消えてゆく
出典: 三日月/作詞:GADORO 作曲:PENTAXX.B.F
このサビの歌唱にはかなり気持ちが込められていて、哀愁が漂っていますね。
一人部屋で昔の記憶を思い出すGADORO。
抑え込んでいた愛情が止められず、溢れ出ているようです。
「偽り」ということは、今もまだ愛しているのでしょう。
でも、時間と共に無情にも記憶は薄れ、過去のものとなってしまいます。
要するに好きってこと
真夏に部屋だけはガンガンのクーラー
毛布の中身体重ねくるまった
お互いにさらけ出す全身の肌色
立てた中指行き先は内緒
ことが済んだ後火を付けたエコーの味が
いつにも増して美味いのは何故?
脱ぎ捨てた下着つけっぱのDVD
そのままおやすみ
出典: 三日月/作詞:GADORO 作曲:PENTAXX.B.F
彼女との思い出が次々と鮮明に思い出されます。
GADOROらしいリアルな言い回しですが、これは照れ隠しなのかもしれません。
要するに「好きで好きでたまらなかった」ということ。
自分を卑下するような表現は次々と出る彼。
ですが、繊細な部分や温かい感情はなかなか外に出そうとしません。
ここでも何かが素直な愛情にセーブをかけている気がします。
弱みを見せられる相手
トイレの便座開けっぱにしてて
いつも怒られてた日々
洗濯物も干さず
何がhip hopだよって罵られてた日々
誰よりも俺のダッセェところを知ってる
俺よりも俺のことを信じてくれてる
ラッパーの俺じゃなくて
人間としてでの俺を愛してくれてる
出典: 三日月/作詞:GADORO 作曲:PENTAXX.B.F
ちょっと笑ってしまいそうな、素敵な思い出ですね。
GADOROの普段見せない一面を知ることができます。
「便座開けっ放し問題」は同棲カップルや新婚さんにありがちな喧嘩。
挙句の果てには的を得た罵りまで入れてくれる、人間味のある彼女です。
強がりな性格のGADOROだからこそ、こんなことを言ってくれる存在は稀だったでしょう。
普段隠そうとしている一面を見ても離れず、むしろ欠点ごと愛してくれる…。
これって本当に嬉しいことだと思います。
深い愛が歌われていますね。
この愛情の行き先は?
湧き上がる愛情は止まりません。
どんどんと膨らんで、苦しさばかりが積もって、いったいどうなってしまうのでしょうか?
彼女を守ることができなかった
俺がいるから大丈夫だって
守るから一歩下がって見てろって
ドヤ顔で言えたら苦労はしてない
生憎出来た男じゃない
お前の友達も口を揃え
コイツと別れ早よアイツに戻れ
ドラマだったらば悪役の彼氏
出典: 三日月/作詞:GADORO 作曲:PENTAXX.B.F
「俺についてこい!」と言って支えてくれる包容力抜群の男性。
それにGADOROもなりたかったようです。
でも、なれませんでした。
自分のことで精一杯だったのでしょう。
他人も守り抜く余裕なんてなかったのでしょう。
それでも彼女のことは好きで堪らなかったのだと思います。
不甲斐なさに何度も悔やんだことが伝わってきますね。
彼女の友達が「別れろ」と促す声に反論だってできない…。
この状況に彼女はどんな気持ちでいたのでしょうか?
それを客観視するGADOROはどれだけ悔しかったのでしょうか?
想像するだけで切なくなりますね。
全てラブソングに詰め込んで…
年収は当時マイナスの稼ぎ
それでも側にいてくれた
過去の女すらとっくに忘れた
お前と幸せになりたいってより
お前との不幸ならば乗り越えられんだよ
旅行に行けなくたって
デートにも行けなくたって
連れてく夜のパワースポット
イニシャルはG四畳半で描くラブソング
出典: 三日月/作詞:GADORO 作曲:PENTAXX.B.F