四人体制になり新章を迎えたフレデリック
2017年にドラムの高橋武を正式メンバーに迎え、バンドとしては新章を迎えたフレデリック。
2015年にkaz.が脱退して以来、サポートメンバーを頼りにしてきたバンドにとってこれは大きな出来事です。
正式メンバーが四人揃ったという事実は、精神的に物凄く心強いことではないでしょうか。
新曲「LIGHT」で明らかな進化を見せる
サポート時代から一緒にやっていたメンバーなので、演奏面が急激に変わるようなことはないでしょう。
しかし長期的に見れば、このことがサウンドに及ぼす影響はきっと少なくはないはず。
…と、思っていた矢先。このバンドは急激な変化を露わにして来たのです。
そう、2018年11月16日、配信限定でリリースされたシングル「LIGHT」は今までの彼らから明らかに進化した内容になっていました。
新曲「LIGHT」に込められたテーマは
「LIGHT」に込められているテーマは、簡単に言えば「真のダンスミュージックは民族や人種、国境など、あらゆる人の境目を越えていける」というもの。
戦争や差別などは古くから歴史の中で根付いて来ました。
世間は平等や多様性を謳っていても、言葉で言う程それは簡単なことではなく、相変わらず一つになり切れない世界がそこにはあります。
そんな中でも音楽を聴いて踊る楽しさというのは、アジア人だって欧米人だって、アフリカの民族だって知っているのではないでしょうか。
人種や国籍が違ったって音楽を聴いて踊る楽しさは同じ。
同じものを好きになれるということは、一つになれる可能性を感じさせてくれるものではないでしょうか。
フレデリックが「LIGHT」で示したテーマには、現代社会と深く向き合った上でミュージシャンとしての役割を導き出した彼らの思考が垣間見えます。
このことから作品も今までのものから、大きく進化していることを感じさせますね。
MVの撮影は東京…そして南アフリカにて
音楽で踊る楽しさに違いなどない
今私たちが暮らしている日本の街と、人類発祥の地であるアフリカ。
両者は当然のごとく住む人も文化も何もかも違います。
しかし映し出されていたのは、どちらを取っても踊りを楽しむ人。
音楽を聴いて踊りを楽しむという気持ちに違いなどない。
楽曲のテーマに準じて、そんなことを感じさせる映像となっています。
洋楽ダンスミュージックの要素がさらに強くなったサウンド
これまでのフレデリックの楽曲にしてもダンサブルなものが主体とされていました。
彼らが「ギターロックにダンサブルな要素を合わせていた」と語るように、それはギターを主体にしたバンドサウンドを全面に押し出したもの。
それもそれで彼らならではの「踊れるロック」を形作っていました。
しかし今回の「LIGHT」はEDM色の強い、いかにもなダンスナンバー。
同じノリを延々と繰り返し、グルーヴを回していく様子はまさしく人を踊らせるためのもの。
洋楽ダンスミュージックの要素をさらに強め、国境を越えてしまいそうなサウンドへと進化していることがわかります。
交錯する東京と南アフリカ
イントロが始まると共に映し出されるのは南アフリカの人々。
大きなラジカセを肩に担いで夜の街を闊歩する三人組に、リュックサックを背負った子供、デート中のカップルなどそのシチュエーションも様々です。
南アフリカを上空から映した映像が夜の東京と交錯し、二つが交わり合っていくような印象で楽曲の幕開けを飾ります。