他人の意見を「判断基準」としていた自分を冷静に見つめなおしている場面と思われます。

よく考えると自分は嘘をついたり、不器用でうまく立ち回れなかったり…

見て見ぬふりしようとしたって現実は「ノンフィクション」。

全てが真実として自分自身へ押し寄せてきます。

そして一人部屋の中でその事実と向き合い、内なる自分と戦っているようです。

「至らない自分」と向き合うことは怖いですが成長するためには不可欠ともいえますね。

この楽曲の主人公は現実から目を背けずに力強く向き合っています。

自己主張が他人とぶつかる瞬間

【the non-fiction days/BAND-MAID】荒んだ心に火を灯せ!MV&歌詞を解説の画像

後付けみたいに心が染まる
Word cuts more than swords 言葉を軽く口にしただけ
身から出た錆びをザリッと噛み砕いた
非常識って Do you know of it?

出典: the non-fiction days/作詞:中村 彼方 作曲:大西 俊也

前半の英語を和訳すると「言葉は剣よりも切れ味が鋭い」という意味。

自分の無意識に発した言葉を他人に批判されたようです。

この「錆」に関する表現にセンスがありますね…。

何とも後味の悪い気分が伝わってきます。

でも他人の意見に流されず「あなたは何を知ってて言ってるの?」と英語で言い返します。

このフレーズの最初で和訳した「言葉という名の凶器」はどちらの放った言葉に対して言っているのでしょう?

自分が無意識に放った言葉?

他人をむやみに批判する人?

どちらにせよ、言葉は時に人を深く傷つけるという意味合いを伝えているのだと思います。

今は不完全でも大丈夫

外堀でもいい 完成できたら 中の形見えるかも

出典: the non-fiction days/作詞:中村 彼方 作曲:大西 俊也

今は中身が伴っていなくても、とにかく自分の意思で発言することが大切。

それを続けていればいつか「自分自身」が完成されていくのではないか。

そんなメッセージを感じますね。

真実を追い求める

一見「正しい」ものが全て正解ではない

That's the heavy non-fiction days
目を逸らしたって
リアルほど偽者のふり
所詮こんな non-fiction days
自問自答しては
演じてる
どんな透明でも存在してる non-fiction days
昨日より近い
Don't fight myself

出典: the non-fiction days/作詞:中村 彼方 作曲:大西 俊也

真実が偽物のふりをする…どういう意味でしょうか?

大多数の意見、いわゆるマジョリティが全て正しいわけでもないという意味に感じます。

一般論で「正しい」と言われ続けてきたことが、近代の研究で無意味と証明されることがあります。

また、閉鎖的な集団では権力者の発言が唯一正しいと支持される傾向にもありますね。

しかしこれは組織的に見ると諸刃の剣。

特別優秀な指導者でない限り、皆で意見を出し合い結論へ導く方が豊かな発想が生まれるでしょう。

これは民主主義の考え方にも取り入れられていますね。

他人の意見を「判断基準」にし続けると、時に真実から遠ざかってしまう。

「正しい」道を選択し続けるためには自分自身の目を養うことが不可欠になってきます。

この楽曲の主人公はそのことに気づき始めているみたいです。

だから「昨日より近い」と、真実に近づいている実感を得ているのだと解釈します。

見えてくる「嘘つき」の意味

【the non-fiction days/BAND-MAID】荒んだ心に火を灯せ!MV&歌詞を解説の画像

全て捨て去ったあとに残ってたのは
唯一つこの両手

耐えられないよ non-fiction days
嘘つきの癖
吐き出せないで毒が回る
相当 tough な non-fiction days
any more...

出典: the non-fiction days/作詞:中村 彼方 作曲:大西 俊也

囚われていた現場から解き放れた今、残るのは自分自身のみ。

自分次第で未来は変わっていくということでしょう。

そして読み進めるうちに「嘘つき」の意味も見えてきました。

おそらく自分の意見を偽って「他人に賛同していた自分のこと」なのでしょう。

「吐き出せない」のは自分の本来の考え。

それが体の中に回って毒のような苦しめる作用をもたらしていたと思われます。

でも最後は英語で「もうこれ以上は…」と現状打破を望みましたね!

自分自身を責めてはいけない

見える全てが
Heavy non-fiction days
目を逸らしたって
リアルほど偽者のふり
所詮こんな non-fiction days
自問自答しては
演じてる
どんな透明でも存在してる non-fiction days
昨日より近い
Don't fight myself

Don't fight myself

出典: the non-fiction days/作詞:中村 彼方 作曲:大西 俊也

最後のサビでは英語の「自分自身と戦うな!」という言葉が繰り返されます。

前半の歌詞では自分自身を偽る「嘘つきの自分」を責め立てていました。

これがおそらく「自分自身と戦う」という事。

自分を傷つけてはいけない。

それよりも真実を追い求めることが重要なんだ。

自分に正直になることが大切なんだ。

そんなメッセージを伝えているのではないでしょうか。