嘘でなぜ悪いと開き直って生きていくこと

嘘でなにが悪いか 目の前を染めて広がる
ただ地獄を進む者が 悲しい記憶に勝つ

出典: 地獄でなぜ悪い/作詞:星野源 作曲:星野源

嘘をつかなければ生きていけないような「地獄」でも、逃げ出さずに生きていくことが大切という歌詞

無理やり開き直ってでもいいから、耐えて生きた者が悲しみを乗り越えることができると歌っているのです。

生きることへの力強いメッセージが読み取れますね。

星野源「地獄でなぜ悪い」映画主題歌となったCD情報と歌詞解釈(レビューあり)の画像

今が孤独だと感じても、人間生まれた時から孤独なんだから気にするな!

教室 群れをはぐれた
重い空を行く生まれ落ちた時から
居場所などないさ
いつも窓の外の 標識を眺めて
非道に咲く花が
女のように笑うさまに 手を伸ばした

出典: 地獄でなぜ悪い/作詞:星野源 作曲:星野源

「群れをはぐれた 重い空を行く」という歌詞は群れからはぐれてしまった鳥に、教室で一人ぼっちで居場所がないと感じている様子を重ねています。

もしかしたら、教室に居場所がないといういじめられている子の心情を歌っているのかもしれません。

そして、「生まれ落ちた時から 居場所などないさ」と居場所がないのは最初からだから気にするなと歌っているのです。

ここでも「地獄でなぜ悪い」と開き直っている姿が見られますね。

今は「動けない場所」でも、いつか「明日を掴んで立つ」

作り物で悪いか 目の前を染めて広がる
動けない場所からいつか
明日を掴んで立つ
明日を掴んで立つ

出典: 地獄でなぜ悪い/作詞:星野源 作曲:星野源

「動けない場所」とは病室で動くこともできない、生死に関わるような状態を指していると言えるでしょう。

「明日を掴んで立つ」とは、今は生死をさまよう「地獄」でも、生き抜いて未来を掴み取るということを意味しています。

星野源「地獄でなぜ悪い」映画主題歌となったCD情報と歌詞解釈(レビューあり)の画像

「どこまでも」続くと思っている日常が一瞬で崩れる時

幾千もの幾千もの
星のような雲のような「どこまでも」が
いつの間にか音を立てて崩れるさま

出典: 地獄でなぜ悪い/作詞:星野源 作曲:星野源

「地獄」とは思えないような「星」のようにキラキラした、「雲」のようにふわふわした毎日が「どこまでも」続くと思っていると、急に崩れてしまうことがあるということを歌っています。

いつまでも続くと思っていた日常が急に崩れてしまう時、人はなかなか立ち直れないものです。

だからこそ、最初から「楽しい地獄だ」と思っておくのです。

「楽しい」こともあるけど、人生は「地獄」だから、この先辛いことも必ず起こると考えておけば、悪いことが起こった時、いくらか落ちこまずに済むと思いませんか。

みんな「同じ地獄」の中の仲間

嘘で出来た世界が 目の前を染めて広がる
ただ地獄を進む者が 悲しい記憶に勝つ
作り物だ世界は 目の前を染めて広がる
動けない場所から君を 同じ地獄で待つ
同じ地獄で待つ

出典: 地獄でなぜ悪い/作詞:星野源 作曲:星野源

明るいトーンで歌う歌詞は「地獄で待つ」と、単語だけ見るとホラー映画のような言葉ですが、「同じ」という言葉がつくと全く違って聞こえますね。

どんなに辛い思いをしていても、みんな「同じ地獄」の中を生きていて、そんな「地獄を進む者が」最後に「勝つ」と言っているのです。

「同じ地獄で待つ」という言葉からは辛い時も一緒に乗り越えて生き抜こうという温かいメッセージが読み取れますね。

「地獄でなぜ悪い」の楽曲レビュー

星野源「地獄でなぜ悪い」映画主題歌となったCD情報と歌詞解釈(レビューあり)の画像

最後に個人的なレビューを書きます。

映画主題歌ように書き下ろされた歌詞は、映画のストーリーにも合っていますが、星野源の病院での闘病生活の辛さも想像できるのが「地獄でなぜ悪い」の歌詞です。

私も、切迫早産で入院し、毎日胎内の双子の命が危ないという事実を突きつけられる上、自分の体も限界値まで投与した薬の副作用で危険な状態になり、夜になるといつも泣くしかなかった時期があったので「病室 夜が心をそろそろ蝕む」という歌詞は身に覚えがありました。

ストレスが影響を及ぼすこともあるからポジティブに考えた方がいいと医師から言われていましたが、歌詞の序盤のように、頑張って前向きになろうとしても無理でした。

今思い返すと、この曲のように「地獄で何が悪い」と開き直ることができればよかったのにと思います。

病は気からというのは本当のことで、星野源さんもこんな力強い歌詞を書けるような人だからこそ、くも膜下出血という難病を乗り越えることができたのかもしれません。

病だけでなく、日常生活においても、不安や不満にとらわれるのではなく、人生は「楽しい地獄だ」と開き直って前向きに考えられれば、物事は良い方向に進むのではないでしょうか。

星野源の「地獄でなぜ悪い」は、星野源らしい色んな音楽の要素が詰め込まれた、聴いていて楽しい楽曲であることを前提とした上で、その歌詞からは、どうしても苦しい時こそ思い出したい一曲といえるでしょう。

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