2番の歌詞を解説
ここまでは1番の歌詞をご紹介。
1番では子どもだったあの頃を思い出していた主人公。
両親に対する感情を描いていました。
素直になれない幼少期から優しく育った現在まで、心情の移ろいにグッとくる歌詞でしたね。
対してここからは、未来を共にするであろう誰かに想いを馳せています。
「Baton」の真髄は、これ以降の歌詞に詰まっているといっても過言ではないでしょう。
早速解説していきます。
大切な人
いつだったろう 自分以外に
守りたいと思える 人ができたのは
ぎこちなくて 笑っちゃうけれど
不器用なりに 頑張ってるよ
出典: Baton/作詞:橋口洋平 作曲:橋口洋平
1番の時期からさらに月日が経ち、主人公が大切に想うパートナーが登場します。
守られる側の人間から守る側へ。
たくましく成長した姿が垣間見えます。
経験値の差から、まだ両親のように自然にふるまうことはできません。
しかし持ち前の優しさでお相手をサポートする様子が窺えます。
最初から何でもできる完璧な男ではなく、少し頼りないところがリアルです。
このように、等身大の日常を丁寧に描くスキルがwacciの魅力といえるでしょう。
愛の重要性
注がれてきた 愛の重さ
今更感じるから 受け継ぎたい
出典: Baton/作詞:橋口洋平 作曲:橋口洋平
この場面では、改めて幼い頃から両親から受けとっていた「愛」を実感したようです。
大切なパートナーを想う心や子どもにかける愛情。
数年越しではありますが、このような気持ちを自分の経験として感じることができました。
この感情はしっかりと自分と向き合った結果、大切な人ができたからこそといえます。
自分が受けた心のこもった支援は、その後生まれる家族へと受け継ぎたい。
そんな想いを胸に、ここから2番のサビへと発展していきます。
2番サビの歌詞を解説
2番Aメロでは、愛する人に出会った主人公。
かつての両親から受け取った愛を、そのパートナーや家族へと受け継いでいきます。
以下では、そんな主人公の気持ちを描いた2番サビの歌詞について解説。
いよいよラストスパートです。
愛のある手
この手で愛する人の手握り この手で 守って 背中をさすって
抱きしめてみたり ゆびきりげんまん 約束交わしあったり
出典: Baton/作詞:橋口洋平 作曲:橋口洋平
こちらのシーンでキーワードになるのは「手」です。
愛する人の手、それを支える自分の手…。
あらゆる日常の1ページにその両方が登場します。
ポイントは、どれも独りでいる時には体験できない場面であること。
抱きしめることも指切りで約束を交わすことも、決して1人ではできません。
ここから、相手がいる喜びや家族の温もりを感じることができます。
またこちらの2人は特筆すべきことは何もない、どこにでもいる普通の家族。
この普通さが共感を呼ぶ秘訣でしょう。
かつての両親のように
信号待ち 力のこもる手に あの日のあなたの手を思い出して
その意味を知り 大きさに感謝しながら バトンを繋いでいこう
出典: Baton/作詞:橋口洋平 作曲:橋口洋平
ここでも両親と手を繋いで歩いていた幼い頃の景色を思い出しています。
あの頃は手を引かれて歩く立場だった主人公。
しかし、今は手を引く側になっています。
現在の彼なら、当時の両親がどんな感情で歩いていたかが分かるようです。
気持ちが入りつい力が入りすぎた「手」には、相手を大切に想う気持ちや愛情がこもっています。
本当の意味で、あの日もらった愛の大きさを理解した主人公。
感謝の気持ちに溢れているようです。
キーワードである「手」を使って、この暖かさを次の世代へと繋いでいきます。
これが家族のバトンというわけです。
MVでは、前項でご紹介した家族が再度登場しています。
1番サビでは口を利かなかった2人ですが、こちらでは会話が生まれています。
映像内で家族の愛を受けて成長する姿が、歌詞とリンクしていますね。