スクウェア(現・スクウェア・エニックス)のPS2用ゲームソフト『キングダム ハーツ』主題歌
テレビゲーム「キングダムハーツ」シリーズでは一貫して宇多田ヒカルが起用されています。
これはディレクターの意向で「『キングダムハーツ』には宇多田ヒカルしか考えられない」という強い思いからの無理を承知で送ったオファーでしたが、宇多田本人がディズニーやゲームを好きであったこともあり、交渉はスムーズに進み主題歌に決定しました。
「光」の歌詞を紐解く
どんな時だって
たった一人で
運命忘れて
生きてきたのに
突然の光の中、目が覚める
真夜中に
出典: 光/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
印象的なサビからスタートしていきます。
パッと受け取る印象はすごく寂しい印象を受ける言葉が並んでいます。 たった一人、運命忘れて、など、どんなつらいことや嫌なことがあっても孤独な生活を自分に強いて生きてきた主人公が目に浮かびます。
しかし、締めくくりはガラッと変わります。 そんな生活に突然光が差し込んできます。
この後、主人公はどうなっていくのでしょうか。 ワクワクする導入部分になっています。
静かに出口に立って
暗闇に光を撃て
出典: 光/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
今までの生活に終止符を打つような歌詞です。
続けてきた生活はもちろん、この先も暗闇だと自分で把握しています。 しかし、出口はきっとそこら中に転がっているのです。 気付いて開けるのは自分でもあり、時には人が導いてくれることもあるでしょう。
主人公はひとつの出口を見つけ、今までの暗闇に光で終わりを告げていくのです。
今時約束なんて不安にさせるだけかな
願いを口にしたいだけさ
家族にも紹介するよ
きっとうまくいくよ
出典: 光/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
ここはすごく現実的な歌詞になっています。
出口を見つけることができたのは導いてくれた人がいたからだということが分かります。 その相手に対し、これからの希望を伝えることに少し不安も覚えていることが伝わってきます。
約束とはどんな約束でしょうか。 「ずっと一緒にいよう」 そんな風に聞こえてきそうな気がします。
大切な願いをちゃんと口にすることで、良い方向に導いていこうという決意も見て取れます。
どんな時だって
ずっと二人で
どんな時だって
側にいるから
君という光が私を見つける
真夜中に
出典: 光/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
やはり「ずっと側にいる」ことが願いだったことが分かります。
出口まで導いてくれた光は「君」で、また暗闇に戻ってしまいそうな時でも主人公である「私」のことをちゃんと見つけて導いてくれる。
そんな君への信頼が表現されているように感じられます。
うるさい通りに入って
運命の仮面をとれ
出典: 光/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
今までは暗闇の中を孤独に進んできました。 しかし、出口を出て孤独から離れることで、色んな人の意見や声が耳に入ってきます。
人と関わっていくことで自分本来の気持ちを押し殺したり、気を遣ったり、我慢したり、そんな仮面を被るような振る舞いをしてしまうこともあると思います。
先読みのし過ぎなんて意味の無いことは止めて
今日はおいしい物を食べようよ
未来はずっと先だよ
僕にも分からない
出典: 光/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
「私」と「君」。 二人でいることは、未来を夢見ることにも繋がってきます。 しかし、未来は誰にも分かりません。
夢ばかり見て今を疎かにしてしまうのはもったいない。 今この瞬間を目一杯、大切にしていくことが未来に繋がっていくのだと考えられます。
完成させないで
もっと良くして
ワンシーンずつ撮って
いけばいいから
君という光が私のシナリオ
映し出す
出典: 光/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル