RADWIMPS「メルヘンとグレーテル」

アルトコロニーの定理
RADWIMPS
EMIミュージックジャパン

「メルヘンとグレーテル」は、2009年3月11日に発売されたRADWIMPSの5作目のアルバム「アルトコロニーの定理」に収録された曲です。

この曲、RADWIMPSの「ふたりごと」という曲と歌詞の内容が繋がっていることでも話題になりましたね。

そして、さらにファンの間では「もしも」、「さみしい僕」から話が繋がっているという説も囁かれています。

確かに筆者もそう思っていました。

しかし、一曲一曲の解釈は十人十色。

今回は、筆者も繋がりのある楽曲の意味も考えつつ、改めて解釈してみましたので、皆さんの考えと比べていただけたら幸いです。

「メルヘンとグレーテル」に続く「僕」と「君」の物語

「もしも」、「さみしい僕」、「ふたりごと」、そして、「メルヘンとグレーテル」。

時系列的にはこの順番で歌詞の元のエピソードが繋がっていると考えている人が多いようです。

筆者としても同じ考えです。

というわけで、歌詞解釈の前に、まずはそんな3曲のストーリーを辿り「メルヘンとグレーテル」に繋がる物語について徹底的に解説します。

「もしも」で「君」に告白、フラれるところから物語は始まる

「もしも」では、酔った勢いで告白し、「君」にフラれる「僕」の様子が描かれています。

「周りの人はみんな君に夢中」という歌詞にある通り、美人の「君」を好きになった「僕」。

「顔で選んだ」と周りに言われてしまいますが、「君の人間好きになった」というように、「君」という人間ごと、全てを好きになったのですね。

しかし、「純粋そのものだった君にまた出会いたい」とあることから、これまでの人生の経験からくる理由で断られたと推測されますね。

もしかしたら、「君」のことが好きだという「僕」の言葉を信じられないというようなことを言われたのかもしれませんね。

「君」は何か人間不信になるようなバックグラウンドを抱えているのか...?

さらに「君」の人物像と「僕」の想いの深さがわかるのが、次に紹介する「さみしい僕」です。

「さみしい僕」は「もしも」を回想する歌詞

そして、「さみしい僕」は、「もしも」でフラれた時のことを回想する歌詞と考えられます。

 「二度とあの時のようにはもう話すことはできない」なんて考えたくもないのに考えてしまうくらいのフラれ方だったのでしょう。

一人ぼっちで泣くしかない「僕」の姿が描かれる歌詞ですが「昔のあなたと一緒にいつまででも話し笑いあいたい」と内心では諦めていない様子。

「もしも」では、「純粋そのものだった君」、「さみしい僕」では「昔のあなた」と表現される「君」。

このことから「君」の顔や上っ面だけを見て好きになったわけではない「僕」は今の「君」を本当の「君」ではないと思っているようですね。

そして、ついにその核心に迫るのが「ふたりごと」の歌詞です。

「ふたりごと」で明かされる「君」が「僕」を信じられなかった理由

「ふたりごと」の前半「お前」として描かれているのは「純粋そのものだった君」そして「昔のあなた」です。

「君」のかつての姿であり、「僕」の思う本来の「君」の姿ということですね。

そして、「君」は、過去に自分の両親が結婚して時間が立つうちに愛を失って行く姿を見ていたのでした。

そんな両親を「君」は「私の命は二人の愛の証」なら「二人に愛はもうない」としたら「私の命はすべて嘘」になってしまうと言って繋ぎ止めたのです。

しかし、その時の心の傷が残る「君」は、自分に言い寄ってくる男性の言葉を信じられなくなっていたのですね。

「もしも」では「君」が「鈍感」だから周りの人の好意に気づいていないと描写していましたが、気づかないふりをしていたのかもしれません。

そんな「君」が抱える闇を知った上で「君」が生まれたこと、そして「君」と「僕」が出会ったことを「奇跡」と信じる「僕」。

「君」の親はそうだったかもしれないが、決して「僕」は「君」から離れないと誓っているのが、「ふたりごと」の歌詞です。

ちなみに、この楽曲を野田さんは彼女に向けた曲としています。

このことから、「君」の心に抱える傷も全て受け入れて愛すると誓った「僕」に「君」は心を開き、二人は結ばれたのでしょう。

「ふたりごと」で結ばれ、そして「メルヘンとグレーテル」で約束は果たされる

晴れて「君」に想いが伝わり、「君」と付き合いだした「僕」でしたが、「ふたりごと」にはこんな歌詞がありました。

「君と書いて「恋」と読んで 僕と書いて「愛」と読もう」、「そうすりゃ離れそうもないでしょう? いつかそんな歌作るよ」。

この約束が果たされたのが「メルヘンとグレーテル」です。

「いつかそんな歌」の「そんな歌」が「メルヘンとグレーテル」ということですね。

その証拠に、「メルヘンとグレーテル」にはこれと同じ歌詞、そして、この歌詞から派生した歌詞が書かれています。

では、この背景を踏まえた上で「メルヘンとグレーテル」の歌詞を解釈していきましょう。

勿論、この「ふたりごと」から生まれた歌詞にも注目ですよ。

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