欅坂46ラストシングル
この楽曲は欅坂46のラストシングルとして2020年8月に配信されました。
センターが決まっておらず、ライブのダンスも明確なセンターはいないダンスになっています。
この楽曲で特に印象的なのが、楽曲の合間に一瞬音がなくなる瞬間が複数あることです。
また、ピアノソロなど最低限のメロディのみの箇所もあり、歌詞の意味とリンクしているように感じられます。
世界の音に耳を傾けて
「耳を澄ますと聴こえて来る
色々な声や物音 人は誰もその喧騒に
大事なものを聴き逃している
Wo oh oh oh oh oh oh…
ねえ ちょっと静かに…
ほんの少しでいいから
自分の話じゃなく 他人の話 聴いてみて欲しい
冷静になろうって合図をくれればいいのに…」
出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢
歌い出しはセリフから始まっています。
主人公が世界の音に耳を傾けている描写から始まっています。
世界に多くの音が溢れており、その雑踏の中で主人公は日々を送っているようです。
人が生活している限り、その喧騒は鳴り止みません。
しかし、その音の中に、大事な音が紛れてしまっていると主人公は感じています。
そしてその紛れてしまったものを誰もが聴き逃していることにも主人公は気づいているようです。
喧騒の中、人は誰かの話を聞くのではなく互いに自分の主張を言い合ってばかりいます。
それは喧騒に紛れないための自己主張であり、自己顕示欲でもあるのかもしれません。
意見を言い合っていては話し合いもできなければ相手を理解するきっかけも掴めないでしょう。
それはSNSが普及した中で誰もが自分の意見を好きに主張して、誹謗中傷が絶えない世界にも重なります。
しかし主人公は言い合うのではなく、人の話を聴いてみることを提案しているのです。
誰もが1度冷静になるための合図を主人公は欲しています。
世界中に鳴り響く鐘の音
地球の片隅に鐘があれば
もし地球上の片隅に
巨大な鐘があったのなら
世界中のどこにいても
聴こえるのに…
出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢
この歌詞から歌が始まっています。
世界中が喧騒に溢れ、互いに自分の主張ばかりでは、誰かの言葉で冷静にすることは難しいでしょう。
しかし鐘の音が世界中に響けば、きっとその喧騒は一時的にでも静まるはずです。
鐘の音が合図となって、誰もが冷静になれることを望んでいるようです。
言葉ではできないこと
争いごと起きそうになった時
あーあ あーあ
知らせてあげよう 言葉ではなく
誰でもわかるように
心に響かせるんだよ
出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢
人々が自分の意見しか言わず、人の話を聞かなければそれはやがて争いごとに繋がってしまいます。
主人公はその争いが起きる前に鐘の音が鳴ることを望んでいるようです。
争いごとに発展しそうな時には周囲の人の話も聞き入れなくなってしまっていることでしょう。
むしろ言葉で止める方が事態を悪い方向へと向かわせてしまう可能性もあります。
しかし、世界中に鳴り響く鐘の音であれば、すんなりと耳に届き、冷静になることができるはずです。
それは人の言葉ではないからこそできることでしょう。
その鐘の音が争いそうになっていた人々の心に響き、一旦落ち着くことができると期待しているのです。
鐘を鳴らす役割を担うのは誰か
神様には任せられない
だけど問題は
誰がその鐘を鳴らすのか?
この世の中に神様はいるのかい?
会ったことない
出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢
1番のサビの歌詞です。
誰もが一度冷静になれるための鐘を鳴らすとしても、その鐘は「誰か」が鳴らさなければなりません。
神様がいるなら争いが起きる前にならそうとしてくれるかもしれません。
しかしいるかどうか分からない神様に任せることはできず、人間の誰かが鳴らさなければならないでしょう。