鐘を鳴らす役目

その綱を奪い合ってたら
今と何も変わらないじゃないか
そばの誰が誰であっても鳴らせばいいんだ

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

鐘は誰もが鳴らせるものではなく、鳴らす人はその大役に選ばれた人といえるでしょう。

その役目を奪い合っていたら、結局そこで争いごとが起こってしまっています。

それでは相手の話を聞いていなかった時と何も変わりません。

また、世界中に響く鐘を鳴らすことは、世界中に影響するほどの力を扱うということでもあります。

その大きな権力や責任を独占しようとしたり、逆に誰かに押しつけたりすることも考えられるでしょう。

しかし本来その鐘を鳴らす役目は誰かが独占するのではないはずです。

その鐘のそばにいる人が鳴らす役割を担えば良いものなのだと読み取れます。

鐘は誰もが鳴らせる

信じるものがたとえ違ってても
そう平等に…

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

信仰している宗教や抱いている価値観は人によって様々です。

全く同じということは基本的なく、それがその人のアイデンティティを形成しています。

違いがあるからこそ争いは起きますが、鐘を鳴らす権利や責任は誰もが等しく持っているものです。

例え相容れない人同士であっても、鐘を鳴らす権利は等しいのだと読み取れます。

悲しみに寄り添う

誰かの耳に届くように

一番高い山の上
巨大な鐘を吊るせたなら
風に乗って海を越えて
届くだろう 誰かに

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

2番の歌詞です。

1番では世界の端と歌っていましたが、今度は1番高い山の上から鐘を鳴らすことを考えています。

どこよりも高い山の上であれば、山頂に吹く風にのせて世界中に響かせることができるかもしれません。

例え世界中に響き渡らなくても、その鐘を聴いた人がいればその人は一旦自分の主張を止めてくれるはずです。

そうして冷静になってくれる人が少しでもいることで、争いを減らすことができるでしょう。

孤独に寄り添う

悲しみに俯いてしまったって
あーあ あーあ
語りかけよう どこかできっと
あなたを心配してる
味方がいるってことだよ

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

自分の主張ばかりを言い合う世界では、誰かに言われた言葉で傷つく人も必ずいます。

その悲しみを言葉にすることも、また傷つくことに繋がってしまうかもしれません。

しかし、鐘の音が聞こえれば、誰かが合図を出してくれたことが分かります。

合図を出してくれるということは、争いを止めようとしてくれたということです。

それによって悲しんでいた人の巻き込まれていた争いもなくなるかもしれません。

その可能性をつくる鐘の音は、悲しんでいた人にとって一種の救いになるのではないでしょうか。

鐘の音は、言葉では止められない争いを無くすことを願って鳴らされます。

それは傷ついている人を気遣い、寄り添う行為でもあるはずです。

鐘の音が聞こえることで味方がいると分かり、じんわりと温かさをもって心に響くことでしょう。

重責を担うのは誰か

鐘を鳴らす責任

愛の救世主
誰がその鐘を鳴らすのか?
そんな重たい責任を持てるかい?
逃げたいだろう?

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

2番のサビの歌詞です。

傷ついている人々にも寄り添う鐘の音は世界にとって救世主のような存在です。

しかしそれを鳴らすことは世界中に大きな影響を及ぼすだけの責任も負うことになります。

その責任は1人で抱えられるようなものではなく、また、誰も背負いたくない重圧です。

鐘を鳴らすことで得られる影響力とその責任の大きさを天秤にかけているようにも感じられます。

支配と幸せの関係は