サカナクションの【モス】ってどんな曲?

ドラマ主題歌にも抜擢!

サカナクション【モス】歌詞の意味を考察!蛾の姿や繭が象徴するのは?身動きが取れない迷いの正体とは…の画像

2019年6月に、約6年ぶりのアルバム『834.194』を発売したサカナクション

今作に収録されているのが、今回ご紹介する楽曲【モス】となっています。

同じアルバムに収録されていた【忘れられないの】と共にシングルとしてもリカットされたこの曲。

楽曲の80年代感を投影した8センチシングルでのリリースは、懐かしいと当時大きな話題を呼びました。

深田恭子主演のドラマ『ルパンの娘』主題歌としても抜擢されたましたね。

その為、聞き覚えがあるという方もきっと多いことでしょう。

またこの曲、実はこんな裏話もあるんだそう。

SAKANAQUARIUM2018 "魚図鑑ゼミナール"VISUAL LIVE SESSIONやその後のSAKANAQUARIUM2018-2019 "魚図鑑ゼミナール"では『マイノリティ』という仮タイトルで演奏されていた。完成版のライブ初披露は"834.194"ツアーの幕張公演初日。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/834.194

その為、サカナクションのファンにとっては待望の音源化であったことでしょう。

MVは前衛的すぎると話題に!?

楽曲歌詞を見ていく前に、MVと共にこの曲をおさらいしておきましょう。

この楽曲、実はMVも公開時に非常に大きな話題を呼びました。

その理由は、映像作品としてあまりにも前衛的すぎるものだったからです。

一度MVを見て頂ければ、その前衛的すぎるという理由が明らかになることでしょう。

動画のサムネイルとして映し出されている大きな真っ白い繭。

なんとこの映像の半分近くひたすら動かないこの繭を映したものなのです。

楽曲名のモス(moth)は日本語で蛾(が)のこと。

そんな蛾の繭をずっと映し続けている…と思ったら、映像後半でついに繭から生命が生まれます。

果たして、この繭から生まれたものは一体なんだったのでしょうか?

ぜひ皆さんも最後までこの映像をご覧頂ければと思います。

ちなみに、このMVの一番最後に登場する美少女。

こちら、実は井手上獏という正真正銘の男の子です。

島根の離島に暮らす、『可愛すぎるジュノンボーイ』として話題の彼。

彼の出演も、このMVが話題となった理由の1つとなっています。

早速歌詞を見ていこう!

それでは早速楽曲の歌詞を解説していきましょう!

この曲では、一体どんな内容が歌われているのでしょうか?

『マイノリティ』と『マジョリティ』

君のこと
(ソウゾウデキズニ)
知らなくていいや
(ソウイウフンイキ)
僕はまだ
(ソウゾウデキズニ)
探してたいんだ
(ソウイウコトバガ)

抱えても 叶えられないこと
比べても 負けるとわかってたんだ

出典: モス/作詞:Ichiro Yamaguchi 作詞:Ichiro Yamaguchi

上記にもある通り、この曲の仮タイトルは『マイノリティ』

マイノリティとは、日本語でいえば少数派というニュアンスですね。

この歌詞の中での『マイノリティ』とはきっと『僕』のことでしょう。

対をなす『君』はきっと『マジョリティ』=多数派なのでしょうね。

そんな『マイノリティ』な僕は、『マジョリティ』なことをまだ知らなくていい、といっているのでしょう。

なぜなら、自分の抱える『マイノリティ』について、まだまだ探したいことがあるから。

当たり前のことですが、なんにせよ『マジョリティ』な分野はすでに周知の事実が多いのです。

なぜならすでに多くの人がその『マジョリティ』な内容について調べたり研究して明らかにしているからです。

ただし、わかっているつもりになっている事も往々にしてあるかもしれないのですが…。

一方で『マイノリティ』な分野はそもそもの母数が少ないため、何にしても未知数な部分も多いのでしょう。

それこそが、『マイノリティ』の面白さの1つなのかもしれません。

それでも、あくまで僕は『マイノリティ』に過ぎません。

多くの人がその魅力に気づいてしまった時、それは『マジョリティ』になってしまいます。

『マイノリティ』の良さや面白さを多くの人に知って欲しいけれど、『マイノリティ』のままにして欲しい。

『マイノリティ』の人は、きっといつだってこんな矛盾を抱えているのです。

そしていつか何かの拍子で、『マジョリティ』と戦う時が来てしまったら。

勝てるはずなどないということも、分かっているのです。

それでも、『マイノリティ』として生きる

サカナクション【モス】歌詞の意味を考察!蛾の姿や繭が象徴するのは?身動きが取れない迷いの正体とは…の画像

繭割って蛾になる マイノリティ
揺れてる心ずっと 三つ目の眼
飛び交う蛾になる マイノリティ
雨に打たれ羽が折りたたまれても

出典: モス/作詞:Ichiro Yamaguchi 作詞:Ichiro Yamaguchi

サカナクションのボーカル、山口一郎。

彼は『マイノリティ』をモス、『蛾』だと例えました。

ならば、『マジョリティ』は『蝶』でしょうか。

多くの人に好かれる鮮やかな『蝶』と、多くの人が眉を顰める『蛾』。

時として『マジョリティ』と『マイノリティ』は、これほどまでに違う扱いを受ける事だってあるのです。

『マイノリティ』はそれを知っています。

けれどそれしきのことで『マイノリティ』は辞められるものではないのです。

趣味などに例えると分かりやすいでしょうか。

なかなか自分と同じ趣味の人が見つからないからといって、その趣味を辞めることはできません。

だって『マイノリティ』だったとしても、自分が趣味を好きである気持ちに嘘はないのですから。

けれど時々、『マイノリティ』であることに不安を覚えるのも確かなこと。

そんな不安定な気持ちが揺れる心として、第三の目として歌詞には歌われています。

眉を顰められようと、時には蔑まれようと、それでも『僕』は『マイノリティ』として胸を張って生きる。

そんな『マイノリティ』にしかない強さを、この曲では歌っているのではないでしょうか。