「慟哭」という曲について後に工藤本人が語ったインタビュー記事を見つけました。
「慟哭」明るく歌った工藤静香 「歌手、女として葛藤」:朝日新聞デジタル
■もういちど流行歌 1993年2月の曲 「有三さん、これ何? なんて読むの?」 新曲として「慟哭(どうこく)」を与えられた工藤静香さんは、プロデューサーの渡辺有三さんに尋ねた。辞書を引くと、「ひと晩じ…
歌手として、一人の女性として。
変化を模索してもがいている時期に出会った曲が「慟哭」だったんですね。
リアルでどこか恋する女心の闇のようなものを感じる歌詞。
それとは反対に、明るい曲調が彼に気持ちを打ち明ける事もなく恋に破れた哀しみを増幅しています。
そして、情感のある工藤静香の歌声が歌詞ひとつひとつの言葉を生きたものとするのでしょう。
作詞を手掛けたのが中島みゆき。
「慟哭」(どうこく)は、工藤静香通算18枚目のシングル。1993年2月3日発売。発売元はポニーキャニオン。現時点で工藤静香自身、同シングル曲が最大の売上枚数を記録している。フジテレビ系月曜9時枠ドラマ『あの日に帰りたい』(1993年1月11日〜3月22日放送)の主題歌。ドラマには工藤本人も出演。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/慟哭_(工藤静香の曲)
変化を模索していた時期に出会った工藤静香にとって転機ともいえる「慟哭」。
この曲は自身の最大のヒット曲になりました。
工藤本人が出演したドラマのストーリーと曲の世界観が見事にリンクして多くの人の共感を得ました。
永遠に一方通行の想い
一晩じゅう泣いて泣いて泣いて
気が付いたの
友達なんかじゃないという想い
一晩じゅう泣いて泣いて泣いて
わかったのに
おまえも早くだれかをさがせよと
からかわないで エラそうに
出典: 慟哭/作詞:中島みゆき 作曲・編曲:後藤次利 コーラスアレンジ:高尾直樹
この心のチクチクと、締め付けられる感覚は一体何だろうとずっと感じていたのです。
友達だったら抱かない、感じない感覚。
そして、それは恋なんだと気づいたのでしょう。
だけどその恋は決して実ることのない永遠の片思い。
6行目は全く悪気がない彼からのエールなのでしょう。
自分の友達を好きになり、その恋が実った好きな人。
そんな彼からのエールは彼女にとっては残酷な決別宣言にも感じたのではないでしょうか。
彼からの決別宣言ともとれる残酷なエールは彼女を強く前へを進ませる原動力になったのかもしれません。
最後の行の歌詞は、思い切り泣いて涙と共に彼への想いを流し切って女として少し強くなった彼女を感じます。
第7位 恋一夜
この曲がリリースされた年、彼女は若干18歳でした。
工藤静香の曲の中でも「恋一夜」は同世代をターゲットにした曲ではないようです。
もう少し大人の層をターゲットにした曲ともいわれています。
冒頭から印象的な歌詞で始まるこの曲。
当時初めて歌詞を読んだ工藤はその冒頭の歌詞に衝撃を受けたと後に情報番組で当時を振り返り語っています。
また、当時の音楽番組などで歌う際にお腹に手を当てて歌う彼女独自の歌唱スタイル。
その理由についてはこう語ったのだとか。
「18歳の自分にこのような大人な歌がちゃんと歌えるのか不安だった。その不安を抑えるために無意識に」
だったそうです。
確かに18歳のいわゆる「女の子」が感情を込めて「恋一夜」を歌うのはとても難しいことだったでしょう。
しかし、工藤のその表現力と歌唱力でこの曲を見事に歌い、ヒットへと導きました。
一途すぎる恋心
濡れた髪を はじめて見せた夜
心が泣いた
抱かれていながら さみしくて
出典: 恋一夜/作詞:松井五郎 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利
やっと好きな人と結ばれたのに、なぜか哀しい。
それはきっと、この夜を境にふたりの関係が大きく変わってしまうという事がわかっているのです。
関係が深くなればなるほど、彼を想う気持ちも、いつか来る別れへの不安も深くなるのでしょう。
触れているのに、寂しい…。
一番近くにいるのに、一位番遠い…。
彼を一途に想えば想うほど、寂しさは募る一方なのでしょう。
第6位 黄砂に吹かれて
TBS系歌番組『ザ・ベストテン』の最終回である1989年9月28日に第1位を獲得した。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/黄砂に吹かれて
あの伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」の記念すべき最終回第1位の曲です。
「黄砂に吹かれて」は中島みゆきが歌詞を手掛けた2作目の曲です。
どうしても彼以外を好きになれない。
でも、彼が見ているのは自分ではなくほかのひと。
忘れられたらどんなに楽なのか…。
哀しすぎて切なすぎて苦しい主人公の胸の内をリアルな描写で表現しています。