気持ちを諦めようとしていた主人公ですが、相手の笑顔が脳裏をよぎって諦めることができません。

これまでの軌跡をただの「思い出」にはしたくない主人公の心情が読み取れます。

ただの「思い出」にすることをしたくないということは、何か形あるものを残したいということです。

それは主人公と好きな人が結ばれるという結末を指すのでしょうか。

相手に夢中

僕が僕じゃないみたいだ
笑えるな 君のせいだ
どうしてくれんだ どうかしてんだ
君以外はもう見えない

出典: 僕が僕じゃないみたいだ/作詞:SAEKI youthK 作曲:SAEKI youthK

タイトルと同じフレーズがサビに登場します。

タイトルとサビの一発目にあることから、この楽曲最も主人公が伝えたいフレーズということでしょう。

このサビの歌詞を見て注目すべきは4行目です。

逆に捉えると、いつもは君以外の人をたくさん見ていると解釈できます。

主人公は今のところとんでもない遊び人です。

しかも相手を一途に想っている自分を笑っている歌詞があり、それを相手のせいにしています。

後半にも同じ歌詞が出てきますが、進むにつれて同じ文章なのに捉え方が変わってくるので注目です。

しかしそれでも、今の主人公の人物像はやはり遊び人といえるでしょう。

偽りのない気持ち

愛に咲いた花の名前は Liar
遠いあの場所で揺れてる

出典: 僕が僕じゃないみたいだ/作詞:SAEKI youthK 作曲:SAEKI youthK

冒頭の歌詞が再度出てきますが、2行目が違います。

冒頭では儚く揺れていた花が、今度は遠いどこかで揺れているようです。

これは何を意味するのでしょうか。

相手への気持ちを諦めるための嘘が、花として遠くで揺れていると解釈できます。

諦めるための嘘が、主人公から遠ざかっていっているのではないでしょうか。

要するに、主人公はこれ以上好きな人に嘘をつきたくないという気持ちなのかもしれません。

素直に生きられるならそれに越したことはありませんが、主人公はそれができないのでしょう。

嘘をつくほど遠ざかる距離

また君に 嘘をついた
自分を飾って誤魔化した Ah
美しくいたいと思うほど
君が遠くなっていくのはどうして

出典: 僕が僕じゃないみたいだ/作詞:SAEKI youthK 作曲:SAEKI youthK

もう嘘をつきたくないと思っている筈なのに、主人公は好きな人に嘘をついてしまいました。

下手に見栄を張ってしまったのでしょうか。

普通の恋愛をしたいだけなのに「君」との距離はどんどん離れていきます。

主人公の変化

諦めるために嘘をついたところで、このまま気持ちがフェードアウトすることはありませんでした。

そうするうちにだんだん嘘はつきたくないと思うようになった主人公。

しかし嘘をつくのが癖になってしまっているようです。

そこで主人公が下した決断とは何なのでしょうか。

変わりたい

嫌だな 今日だって
柄にもないこと考える
今までの自分じゃ 君といられないって

出典: 僕が僕じゃないみたいだ/作詞:SAEKI youthK 作曲:SAEKI youthK

これまで主人公は「遊び人」であり、好きな人のことを諦めなければいけないと考えていました。

そのせいか相手のことを真剣に思い悩み、ただ一途に愛することに嫌悪感を抱いています。

この嫌悪感を払拭するには、自分が変わるしかありません。

自分が変わることへの不安と相手がどう受け止めてくれるかを考えています。

しかし、変化しなければ一緒にいられないということを主人公は自覚し始めているのです。

自分に素直になる

僕が僕じゃないみたいだ
笑えるな 君のせいだ
どうしようもないこんな僕が
悔しいくらいに本気だ
愛に咲いた花の名前は Liar
鮮やかな色で揺れてる

出典: 僕が僕じゃないみたいだ/作詞:SAEKI youthK 作曲:SAEKI youthK

自分のどうしようもないダメな部分を自覚し、相手への気持ちが一途になっていく様子が表れています。

冒頭にも出てきた花が、今度は鮮やかな色になりました。

恋をすると視界の全てが色づいて見えるという表現がありますが、まさにそのことなのでしょう。

ついに主人公は恋に落ちたことを認め、その気持ちにギアを入れます。

「悔しい」という表現が素直になれない主人公の性格を表しているのではないでしょうか。

好きな気持ちが抑えられない