太陽も海も空も
暗い目をしてたって
この星のリズムは
君に笑顔を降らすから
きっときっときっと
出典: もっと/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
太陽が眩しいな、星がきれいだな、海が青いな…。
ふとしたことで、一瞬でも悲しみから解き放たれる瞬間があるのかもしれません。
私たちが生きているこの地球がもたらしてくれるもの。
そんな今まで気にも留めなかったものが素晴らしいものと思えた時。
どんな励ましの言葉や音楽よりも、もしかしたら人はきっと自然に表情を取り戻せるのではないでしょうか。
孤独と閉塞感
自分の意志とは全く関係なく次々と沸き起こってくる孤独感。
自分は誰からも必要とされていない。
それどころか存在さえ忘れられているのではないかと思い、より孤独感を深めてしまうのです。
自分ではコントロールの効かない孤独感の闇から抜け出せず、未来が見えなくなってしまった時。
「誰か気づいて…!」
もしかしたら声を、叫びをあげたのかもしれません。
何かのサインを必死で示したのかもしれません。
しかし、届かなかった。
というより、誰もその声も、叫びも、そしてサインも受け取らなかった。
聴こえていたけど、見えていたけど、耳を塞いで、目を背けていたのでしょうか。
そんな見捨てられてきた孤独感は、時に他者を傷つける悪意となる事もあるのかもしれません。
成すすべはなく
ヘッドフォンで塞いだはずの
理由のない孤独な叫び
やわな手足をもぎ取られた
バッタみたいにもがく思い
出典: もっと/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
孤独感・絶望感・閉塞感。
理由が見つからないから、成すすべがない、八方塞がりな状態なのです。
前に進むことも、後ろを振り返ることも、自分の涙を自分で拭うことすらもできない。
そしてそれに気づく他者もなく、ただ心臓と脳が動いている「生きている」だけなのです。
3行目、4行目の歌詞。
深い孤独感とは、それを抜け出せない閉塞感や絶望感とは…。
とても残酷な表現でそんな孤独感と閉塞感を描いています。
ただ、残酷だからこそ言葉だけでリアルな映像が見えてくるのではないでしょうか。
そして、その映像から心が締め付けられる感覚に襲われるのです。
時に平等とは
平等という言葉は時に理不尽で矛盾を感じざるを得ない言葉です。
どんな人や事も、平等に。
それは貧富の差も、人種も、そして、善も悪もということなのでしょう。
終わることのない人種差別・埋まらない経済格差…。
「平等に差別する」
「平等に貧しい」
これも平等。
そして、生きる権利も皆等しくあるのです。
生きる事と幸せになる事は
世界は誰にでも門を開いて待っている
平等の名の下に請求書と一緒に
出典: もっと/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
世界中の人に等しく与えられている生きるという権利。
幸せになる権利も同様です。
生きている資格がない人間などいないのです。
幸せになる資格も等しくあるのです。
しかしながら、「幸せに生きる」という権利を行使するのであれば。
そのためには何らかの対価を支払わなくてはいけないということなのでしょうか。
人生を豊かに、幸せにするものは人それぞれです。
人間関係、お金、生きがい、仕事、家族。
自分の「生きる」という事に付加価値をつけたいのであれば…。
そのようなものを支払わなくてはいけないということなのです。
「等しく与えられた権利・資格」
そう謳いながらも、世界中では平等の中の不平等という歪んだ構造が存在しているということなのでしょう。
不平等の上に成り立っている平等。
そして、誰かの悲しみの上に成り立っている幸せも。
笑って許せたなら
そんな世界でも、自分は確かに「生きて」いるのです。
平等で、不平等で、時には理不尽なこの世界です。
でももしも、笑顔でいることが幸せに生きるという事と思えたならば…。
そんな自分でありたいと、そんな世界であってほしいと。
そう願わずにはいられないのではないでしょう。
優しくありたい
そんな理不尽も
コメディーに見えてくるまで
大きいハート持てるといいな
もっともっともっと
出典: もっと/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿