『文明EP』

キーワードは「4大文明」

文明EP XFD Movied by お菊/Reol

2019年3月20日にミニアルバム『文明EP』をリリースしたReol(レヲル)

前作『事実上』のリリースが2018年10月ということを考えると驚異的なリリースラッシュです。

Reolを突き動かすその創作意欲の凄まじさにはただ驚かされます。

4曲を収録した『文明EP』はただの新曲の寄せ集めではありません。

今作でReolは「4大文明」をキーワードに「文明の誕生と進化、発展、衰退」までを描いています

リリースに先駆け公開されたトレイラー映像はバンド形態のREOL時代の盟友 お菊が担当

サウンドプロダクションも同様に盟友であるGigaが手掛けています。

事前情報だけでも非常に壮大なコンセプトを掲げた作品集であることがお分かりいただけることでしょう。

今回は『文明EP』よりリードトラックとなった『ウテナ』歌詞に注目。

クセになるミステリアスな世界観に迫ってみようと思います。

『ウテナ』とは?

ウテナ=塔=欲望の象徴

【Reol/ウテナ】歌詞の意味を徹底解説!柵の向こうには毒々しい照明…クセになる世界観に触れよう!の画像

『ウテナ』はコンセプチュアルな『文明EP』の1つのピースを担っています。

文明が生まれ、進化した末に滅びゆく過程を4曲で表現した『文明EP』。

1曲目を飾る『ウテナ』では文明が生まれどのような過程を経て進化してゆくのかをシニカルに描いています

そして謎のタイトル『ウテナ』とは漢字表記では“台”、つまり高殿や塔などの高さのある建造物のことです。

文明と高層建築は密接な関係があるといわれています。

ベルの塔、ピラミッド、エンパイアステートビル、高層マンション。

これらは文明を司る権力者の欲望の象徴でもあるのです。

身分が高い人物が高台に住みたがることはそのことと関係があるのでしょう。

様々な要素が絡み合うハイブリッドなMV

ダンサー、ギミック、CGが綿密に織り成す『ウテナ』の世界感

ウテナ/Reol

まずは公開されている驚愕のMVをご覧ください。

祭壇に構えるReol、従える囚人のようなダンサー、そして背景に映し出される毒々しいCG映像。

文明の誕生を歌った『ウテナ』の世界感は常人の創造を超える高みを極めていたのです。

超個性的なパフォーマンスはMIKUNANAというダンスユニットによるもの。

様々なMVへの出演、「ロレアル パリ」や「SPINNS」とったブランドとのコラボも行う世界的ダンサーです。

またMVの監督の東市篤憲(A4A)はCG制作の第一人者としても知られています。

代表作はBUMP OF CHICKENの『記念撮影』ぼくのりりっくのぼうよみ『SKY's the limit』のMVなど。

この3者のコラボレーションで『ウテナ』の壮大な世界観を映像に落とし込んでいるのです。

見る度に新たな発見がある『ウテナ』のMV、何度でもご覧ください。

ミステリアス&セクシュアルな導入部

繰り返される破壊と再生

【Reol/ウテナ】歌詞の意味を徹底解説!柵の向こうには毒々しい照明…クセになる世界観に触れよう!の画像

ほらそこに横になって
壊して幾度でも再生
あなたと機械になって
御眼鏡通りさ 浮かぶ理想郷

出典: ウテナ/作詞:Reol 作曲:Reol,Giga

静寂の中から徐々に原始的なシーケンスが聴こえ始める『ウテナ』の導入部。

Reolの口から吐き出されるミステリアスかつエロチックなフレーズ。

過去の史実からも明らかなように文明は幾度も破壊と再生を繰り返してきました

そのサイクルが想起させるのは人類の誕生から死です。

『ウテナ』の歌詞がセクシュアルなフレーズから始まるのは生命の誕生をイメージした結果でしょう

寓話ともSFともとれるサイボーグ・人工知能を匂わせる歌詞が特徴的です。

科学の進化と表裏一体の人類の退化

【Reol/ウテナ】歌詞の意味を徹底解説!柵の向こうには毒々しい照明…クセになる世界観に触れよう!の画像

さぁそこで前に倣え
壊せば幾度でも再生
あなたと機械になって
横文字整列 制御してよ right now

出典: ウテナ/作詞:Reol 作曲:Reol,Giga